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ハーヴェイ・ミルクのLEONkeiのレビュー・感想・評価

ハーヴェイ・ミルク(1984年製作の映画)
3.5
今あるこの世の中の何かは全て過去に誰かが何かをし何かと戦ったから。


強固に閉ざされた社会の扉はほんの隙間だけかも知れないが、非常識を常識へと〝ハーヴェイ・ミルク〟は扉をこじ開けた。

サンフランシスコはゲイの街と幼い頃から無意識にそうイメージ付けされて来たが、〝ハーヴェイ・ミルク〟の影響力と悲劇は鮮烈に世界中に拡散される。


1977年サンフランシスコ市政執行委員に当時としては異例のゲイをカムアウトし立候補し、4度目の選挙で当選した〝ハーヴェイ・ミルク〟のドキュメンタリー映画。

当選に至るまでの様々な社会との確執と葛藤の過程から射殺されるまでを2/3、その射殺に関する裁判からサンフランシスコ・カストロ地区の人々の悲劇1/3を臨場感溢れる生々しい映像で描く。

人物像を抉る深さは薄いが貴重な報道映像と関係者インタビューを上手に繋ぎ合わせ、優れた構成力でドキュメンタリー映画と言うことを忘れサクッと観れる。

ガス・ヴァン・サント監督で〝ショーン・ペン〟主演の『ミルク』でも彼を誇張し描いているが、このリアルな映像のカストロ地区通りの数万のローソク大行進は壮絶。

現在に至るセクシャル・マイノリティ関連の社会運動や増加する映画文化も、〝ハーヴェイ・ミルク〟が非常識の扉をこじ開けたからに違いない。


今あるこの世の中の何かは過去の誰かが何かと戦ったのなら、未来を作るのは今の誰かが何かと戦わないと築けない。


ちなみに昨今のセクシャル・マイノリティ関連については自論を持っていますが、言葉足らずや誤解を避ける為ここでは控えます..★,
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