のんchan

12人の怒れる男 評決の行方ののんchanのレビュー・感想・評価

12人の怒れる男 評決の行方(1997年製作の映画)
3.9
フリードキン監督追悼鑑賞8本目

原作はレジナルド・ローズ。
サスペンスドラマ、密室劇の金字塔と評価されている名作で、オリジナルは1954年のアメリカのTVドラマ。
1957年にシドニー・ルメットがリメイクして映画化。
ルメット版を鑑賞済なので、今作はフリードキンらしさがどのように出ているのか?楽しみに比べてみました。


父親殺しの罪に問われた少年の裁判で集まった陪審員の12人の男たち。
一室に集められ、鍵までかけられて議論し、結果を全員一致で決めねばならない。
最初の議論では有罪とする11人。無罪としたのはたった1人、陪審員8番役のジャック・レモン(ちなみに1957年版ではヘンリー・フォンダ)
最後まで有罪と強く訴える陪審員3番役はジョージ・C・スコット(1957版はリー・J・コッブ)
その2人のやりとりは見もの。
そこからジャック・レモンがオセロのように黒を全部白に変える様子はお見事です。


内容はルメット版をほぼ踏襲していました。
エアコンが付かず蒸し暑さでうだるような一室での話し合いは全く同じでした。
ただ、時代に変化があるので、ルメット版は全員白人だったが、今作では黒人を数名入れていて、スラム育ちの黒人がナイフの扱い方を見せる場面などがありました。


他は特にフリードキンらしさは感じませんでした。
この作品だけを観たら面白く素晴らしく感じるとは思うけど...
ルメット版を観ていたら、好みのキャストでない限り必見さを感じなかった。

個人的に今は亡きジェームズ・ガンドルフィーニが陪審員6番役で、義理人情に厚い男を演じていて観れたのは良かった。
のんchan

のんchan