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ブーリン家の姉妹のoncochiのレビュー・感想・評価

ブーリン家の姉妹(2008年製作の映画)
3.5
良いなぁ、このテューダー朝の貧乏デコラティブ
イタリアやフランスの宮廷ほど煌びやかではなく、天井は高く堅牢な石造りだけど、どこか鄙びたカンジがエエ具合です

ヘンリー8世の2人目の妻だったアン・ブーリンより、先に王に愛されたのは妹のメアリーだった。。。
メアリーの方が先に人妻となっていた為、一族は出世欲の為アンをヘンリー8世に近づけようとするが、父や叔父の思惑は外れ王の心はメアリーを射止めたことから、運命の歯車が狂い始める。
素朴で温かい人柄のメアリーを心から愛しながらも、何もかもが抜きんでている姉の心はやがて激しい嫉妬心から復讐へと変わってゆく。
そして妹、王妃を王から遠ざけ勝利を掴んだかに見えたが…
後は、皆さんもよくご存じのとおり

今まで「1000日のアン」のイメージが強かったせいか、アン・ブーリンは無理やりヘンリー8世に結婚を迫られた挙句、処刑された悲劇のヒロインというイメージだったのですが…
今回の彼女は、物凄い悪女とゆーか猛女です
嗚呼、これだけ策略家で激しい気性の持ち主が母なら、あの「エリザベス」もアリかな?と納得
そりゃアンタ、それだけやれば処刑もされるがな…とツッコミいれるがな

おまけに、「トロイ」ではあれほど、人格者でお利口だったお兄ちゃんエリック・バナが、もうダメダメのヘンリー8世。
頭の中はお世継の事だけでいっぱいいっぱいの、発情オヤジとなり果ててました
なのにせっかく男子を出産したメアリーを前にしても、煽られまくった挙句にアンの尻を追いかけるおバカさん
一体、アンタの望みはなんなんだかなぁ???

でも、姉妹の母レディ・エリザベスと王妃キャサリン・オブ・アラゴンが立派で堂々として素敵でした

エンドロールで「この話はフィクションです」とあったようなので(訳が出なかった)こんなドロドロは実際にはなかったのかもしれませんが、でも事実は小説より奇なり…もっともっとスゴイ事が、この時代の宮廷にはあったのかもしれない
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