マヒロ

不思議惑星キン・ザ・ザのマヒロのレビュー・感想・評価

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)
3.0
(2024.10)
街に買い出しに出かけた建築家のマシコフは、バイオリンを背負った青年・ゲデバンから「自分が宇宙人と名乗る男が立ち往生している」と助けを求められる。何とか自分の星に帰りたいと訴えるその“自称宇宙人”の話を面白がったマシコフは、彼の持つ空間転移装置を勝手に触ってしまうが、その瞬間ゲデバンと一緒に、見渡す限り砂漠の未知の星にワープさせられてしまう……というお話。

カルト映画としてよく名前の上がるソ連生まれのヘンテコSF。知らない星にほっぽり出されるという絶望的な状況をジャンプカット一発で済ませてしまったり、初めての宇宙船との遭遇シーンの何とも言えない変な間とか、絶妙に気の抜けたテンションが魅力的。
SFとしては地味目ではあるがディテールはかなりしっかりしていて、奇妙なデザインの宇宙船や建物に衣装の汚し、地球の常識が通用しない変な文化の細かい設定など結構見応えがある。独自の用語が多くて話が進むとちょっと混乱しかけるが、幕間の良いタイミングで改めて用語解説をしてくれる親切設計も良かった。

前半はなかなか楽しみながら見られたんだけど、正直ハマりきる前に飽きが先行してしまい、後半はイマイチだったかも。特にラストあたり、地球に戻る戻らないみたいなくだりを延々とやるあたりはそのウダウダっぷりを笑うものなんだろうけど、それが許容できるほどこの映画にのめり込めておらず、冗長な印象だけが残ってしまった。悪くはないんだけど、この手の映画はもっとコンパクトに見せてくれた方が好みかも。
マヒロ

マヒロ