マヒロ

ダラスの熱い日のマヒロのレビュー・感想・評価

ダラスの熱い日(1973年製作の映画)
2.0
(2024.44)
1963年、リベラルな政策を唱えるケネディ大統領のあり方に疑問を抱いた元CIAや富裕層の男達が集まり、大統領暗殺計画を企てる……というお話。

ケネディ大統領の暗殺は複数犯による犯行であり、実行犯とされるオズワルドは犯人に仕立て上げられただけの人間である……という過程の下で作られたお話。事実は闇の中であり今作が嘘か真かも分からないが、まるで事実に基づくとでも言うかのように真面目に淡々と暗殺に向けての準備について描かれている。何も知らない人に見せたら本当にこういうことがあったんだと信じてしまいそうなほど。

似たように暗殺犯の行動をストイックに描いた作品で『ジャッカルの日』があり、そちらはかなり好きだったんだけど、今作はあまりハマれず。全体的に陰謀論っぽすぎるというか、黒幕であるタカ派の親父達があからさまに嫌な感じ過ぎて極端な思想の偏りを感じてしまう。それこそ『ジャッカルの日』では、暗殺の良し悪しはともかく暗殺者の仕事人としての美学みたいなのが描かれていたのが良かったが、今作はしかめっ面のオヤジ達がヒソヒソ内緒話をしたりする画が延々と続くので全く心惹かれなかった。パート・ランカスターやロバート・ライアンといったスター俳優もオーラを消して地味な世界観に溶け込んでいるが、シンプルに勿体無さを感じてしまった。
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