ガブXスカイウォーカー

ラスト・ショットのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ラスト・ショット(2004年製作の映画)
3.6
《あらすじ》
マフィアが映画業界に犯罪コネクションを持つことを突き止めたFBIのディヴァイン捜査官(アレック・ボールドウィン)は、偽の映画プロジェクトを計画。自ら映画プロデューサーを装い、脚本家デビューを夢見るスティーヴン(マシュー・ブロデリック)を監督としてもスカウトした。資金調達、ロケハン、キャスティング…本物さながらに映画作りが進められていくうちに、ディヴァインをはじめFBI関係者までが次第にショービズの世界に呑み込まれていく。
様々な苦難を乗り越え、ついに撮影初日となるが、1シーンを撮ったところで、FBIの別部隊がマフィアのボスを逮捕してしまい、プロジェクトは強制終了となる。
2年後。このエピソードを基にした映画が同キャスト、別スタッフで製作され、大ヒットする。一方、スティーヴンはさえない映画館の支配人となっていた。ディヴァイン捜査官が現れ、以前撮った1シーンのみのカットを観ながら、本当の映画企画を持ちかけたところで物語は終わる。



なんと実話を基にした映画だそうで。作戦のために一般人の夢を利用するなんてFBIひどすぎ。
それでも、ディヴァイン捜査官も乗り気になり、スティーブンが撮影に向けて役者とスタッフを集め、どんどん実現化していくので、もしやこのまま本当に映画を完成までさせてしまうんじゃないかとワクワクさせてくれた。
だが、決して成功はせず、唯一の撮影フィルムを二人だけで観るとか、今度こそ本当に映画を撮ろうなど、救いを持たせて感動させようとするラストには逆にあざとさしか感じない。まるで「この映画は夢の段階で終わるからいいんじゃないか」という声が聞こえてきそうだ。
『ラスト・ショット』は面白いことは面白いが、地味だし、なにより他人の夢を踏み台にした感は残り、素直に楽しめない残酷コメディ映画であった。

なおDVD特典には、映画のモデルとなったFBI捜査官と二人の脚本家が当時のことを語り合っている(実際には撮影する前に予算が不足と言うことでキャンセルされ、3年後に新聞で全ては捜査の一環だったことを知ったそうだ)。どこまで事実かはわからないが、こちらも本編の後に鑑賞することをお薦めする。