ジム・トンプスンのハードボイルド小説を実写化したフィルム・ノワール。
うだつの上がらない販売員の男が訪問先で出会った少女に惹かれ、やがて犯罪に手を染めていくさまを描く…。
イライラ、ムカムカ、救いようのないクズっぷりが素晴らしいパトリック・ドヴェール。イカれ具合がヤバ過ぎた。
まさに鬼気迫る演技!荒んだ精神性を見事に表現していたと思う。彼無くしては成り立たないとさえ思えるけれど、今作公開3年後に自殺してしまった事を思うと複雑でもある。
息をするように次から次から嘘をつく。僅かに優しさが覗いたかと思えば、途端に冷酷になる。人格が定まらない不安定さが逆に妙な魅力と感じるのが不思議。
ギョロ目でおどける中にも漂う悲壮感は切なくも感じられたり。
クズと天使、更にはえげつない祖母、アルコール依存症の妻… 濃いキャラ揃いなのにお互いを邪魔してないのは好印象。
そして、1番の見どころはなんと言ってもジャケのシーン。心臓バグバク、緊張感が素晴らしかった。
コレは好みが別れる作品だろうなぁ…
嫌いな人は全く受け入れられない気がする。主人公のキャラが。笑
大胆にヌードも披露した天使過ぎるモナ役の少女がジャン=ルイ・トランティニャンの娘だった事に驚き!!!
しかも当時17歳?は、父親的にはOKだったのかなぁ…?
41歳で不慮の死を遂げていた。