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奥様は魔女のHKのレビュー・感想・評価

奥様は魔女(1942年製作の映画)
3.4
「奥様は魔女だったのです・・・」のサマンサとダーリンのTV版ではなく、ニコール・キッドマンの映画でもなく、それらの着想の元(?)になったと言われるルネ・クレール監督作。
着想の元と言っても、お話はずいぶん違うし、お鼻クチュクチュもありませんけど、とても大らかな時代のファンタジー特撮ロマンティック・コメディでした。原作あり。

物語は17世紀アメリカの魔女狩りから始まり、魔女を火あぶりにするも告発したウーリー家の男たちは魔女の呪いにより未来永劫不幸な結婚を繰り返すことになります(相性が最悪の女性と結婚してしまう呪いというのが可笑しくも切実です)。
そして現代(映画製作当時ですから1942年)、ある事故でその魔女が復活してしまい・・・

ウーリー家の末裔である主人公を演じるのは『我等の生涯の最良の年』『セールスマンの死』のフレデリック・マーチ(当時45歳)。
可愛くて愛嬌のある魔女役は『拳銃貸します』『青い戦慄』などクールなノワール作品の印象が強いヴェロニカ・レイク。
相性も性格も悪い奥さん役には『私は死にたくない』のスーザン・ヘイワード。

ルネ・クレールだからフランス映画かなと思ったらアメリカ映画。
原題“I Married a Witch”(私は魔女と結婚した)も英語。
この監督、一時期は仏から英米に渡って映画を撮っていたらしく、Wikiを見ると作品リストのち1935~1945年はタイトルが英語、その前後が仏語なのはそういう理由のようです。
いや、不勉強でした。
そういえば以前観た同監督の『そして誰もいなくなった』(And Then There Were None)もタイトルは英語でこちらはイギリス映画。

今さらながら、この名匠のフランス本国の作品を1本も観たことがないと判明したため、いくつか観てみることにします。
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