囚人13号

フォーゲルエート城の囚人13号のレビュー・感想・評価

フォーゲルエート城(1921年製作の映画)
3.7
再見。画質良すぎてちびった。蔵書で埋まった部屋に降り注ぐ束状照明(市民ケーンの冒頭はこれ真似してると思う)、神話世界を模した服装でフレームインしてくる妻。
苦悩・殺人など全てが「個」という最小単位で処理されていくムルナウ節に加え、男友達や告解の延長線上に出現する同性愛を一種の倒錯性として導入してみせる。

バキバキ表現主義の美術を縦構図で捉えたショット群は悉くフレーム(シーン)単位に分解され、屋敷内の距離感が掴みにくい平面的な編集も次第に記憶/夢によって統合されていく。
謎解き要素こそ微妙ながら、ひたすらに画面の雄弁さを受け止める映画だったので劇場案件かと。不安な紳士の顔芸サイコー!
囚人13号

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