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アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史

『アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史』に投稿された感想・評価

ドキュメンタリーの中ではピカイチの一本!なんでもっと早く観なかったんだろう。Filmarksユーザーでアメリカ映画がお好きな方は、ぜひ観た方が良いです!
アメリカ現代映画史の縮図がここに見事に収まってます。これ一本観ておくだけで、だいぶアメリカンニューシネマ全盛から衰退の流れが分かって、今の映画界の様相まで大体把握できます。
大学で映画史を専攻していた関係で歴史をたどる色んなドキュメンタリーを観てきたのですが、すごく分かりやすくて驚きました。

なぜ観やすいかって、スコセッシやコッポラを筆頭に時代を牽引し、今もなお映画界を支える巨人たちが次々に出てきて当時のことを語ってくれるから!!
これだけのキャストを揃え、当時の作品の映像の権利をクリアランスして使用し、更に歴史ごとにまとめ直すのは相当な労力がいると思いますが、その甲斐あって見応えたっぷりです。
『俺たちに明日はない』に始まり、ニューシネマの終焉を告げるヒーロー映画『ロッキー』の登場まで。暗い世相を照らし出すかのごとく流行した、いままで見たことない予想外の展開、描写にあふれた「ニューシネマ」。これが生まれたきっかけがゴダールやルノワール、トリュフォーなどのフランスヌーベルバーグが隆盛したことも関係してるとはよく聞いたけど、フランス映画に疎いのでぶっちゃけ今まではよく分かんなかった(笑)。
でも本作で取り上げてる『勝手にしやがれ』『突然炎のごとく』の映像を見る限り、カメラワークやストレートな表現は確かに今までのアメリカ映画には無い過激さ!あー、なるほどこれの影響を受けたのかと納得。初心者に分かりやすい!(笑)

そして、ニューシネマがもたらしたもう1つの偉業は、映像表現の縛りをだいぶ緩くしたこと!
もちろんこれだけではないにせよ、性表現や暴力描写が頻繁に飛び出すようになったきっかけを作ったとも言えます。今やジャド・アパトー監督が『40歳の童貞男』的な下ネタ作品を頻発したり、下ネタもグロさもそれなりにMAXの『デッドプール』が世界的にヒットしてるのは、よくよく考えれば物凄いこと(笑)。アステアやジミー・スチュアートが活躍してた頃だったら考えられないわけで。そういう意味でも、それらの表現を1つの文化として許容し始めたっていうのはまさに映像革命だなーと。

振り返られる全ての作品がとにかく濃い!!(笑)1930年代、1950年代、そして1970年代は映画の黄金期。
『カッコーの巣の上で』『俺たちに明日はない』『真夜中のカーボーイ』『ひとりぼっちの青春』...あーーー、どれもすっごく好きだ!!名作しかない。その名作誕生の背景には、上記に書き連ねたような映画界の常識を覆すための、映画作家たちの苦労があったと思うと胸熱。でも、たった10年でこんなに多くの作品を生み出したっていうのすごいなー!!タイトルの「DECADE」ってそういうことなのかしら。
しかし、あんまり社会派の重い映画ばかり続いちゃったから観客たちは飽きてきた。衰退とともに生まれた『ジョーズ』『スター・ウォーズ』などの、映画館に普段足を運ばないような大人、そして小さな子供などの新しい客層ができて、これが今で言うマーベル映画のような「ブロックバスター」の走りとなったと。うーん、深い。

...ってな感じの一見難しそうな映画の歴史を分かりやすく巨匠たちが教えてくれるので、良い講義を受けた後のような感覚になります(笑)。
ロバート・アルトマン、シドニー・ポラック、デニス・ホッパー、ロイ・シャイダーなどなど...今は亡き映画史の英雄たちがインタビューを受けているのも感慨深いです。素敵な作品を遺してくれて改めて感謝。
いやー、映画っていいですねぇ(水野晴郎さん風)な気持ちになれる一本です。
レンタルしてでも観るべし!!
まだ観てないニューシネマいっぱいあったから観なきゃ、とも決意。

オープニングの映像、映画好きにはたまらないです。めちゃカッコいいです。
そしてエンディングで流れる文言。監督の映画愛に思わずウルッとしちゃいます。そして在りし日のレジェンドたちのインタビューの合間の笑顔が流れて、更に泣きそうになってしまった。
本作の監督のテッド・デミはジョナサン・デミの甥だそうですが、本作の制作中に急に亡くなられたのこと...。ご冥福をお祈りします。
洋画ファンなら観て損はないドキュメンタリーだと思いました。アルトマン、コッポラ、スコッセシ...も登場してハリウッドの歴史を教えてくれます。そして、登場する映画が沢山...まだまだ観ていない良さそうな映画、多いな~って嬉しくなりました。

現実離れした世界を長く観せてくれた古き良きハリウッドも、時代の流れとともに変化せざるを得なかった。そこには映画低迷によるスタジオの倒産とか国内の事情もあるけど、他の地域(ヨーロッパや日本)の映画監督たちの自由な映画作りも影響していた。60年代からの大きな変化、自由な発想、自由な主張、若い監督にチャンスが与えられ活気を取り戻していくハリウッド。スタジオから飛び出して新しいものを作っていく。とてもいい時代。

その後、戦争や政治などの暗い世相を反映して、人々が映画に明るさを求めていく時代になると、また流れが変わっきて...
ひとつの映画の大ヒットで、映画が儲かる!と判ると、商業主義的な流れが台頭、人々のニーズを調べて作品を作ろうとする映画会社の要求が強くなる。相対的に映画監督の力(主張)も弱くなる...

今作はそのことに警鐘を鳴らしつつも、60年代、70年代から受け継がれている自由な精神性で作られる作品もあると結ばれています。
とても興味深く、面白い映画でした。


でも、このドキュメンタリーは15年前の公開。今はロードショーだけでなく様々な媒体で映画が観賞出来るようになり、あまり一般的でない作品も観ることが出来たり、作り手の発表する機会も増え、映画の環境も激変していますよね。
映画監督たちが今、どのように考えているのかも知りたくなりました。
No.4197

ヌーヴェルヴァーグやイタリア・ネオレアリズモからアメリカン・ニューシネマへの流れ。

アメリカン・ニューシネマって奥が深くて大好き。

まだまだ未見の作品がたくさんあるから、見たくなった!

たくさんの監督、俳優、プロデューサーへのインタビュー。

当時の熱量が伝わってきてよかった。

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