JO

カラフルのJOのネタバレレビュー・内容・結末

カラフル(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

〜初見〜

プラプラの喋り方がエセ関西弁(京都弁かな?)って感じで最初気になったけどまぁそれもキャラの一色やなと思って途中から特に気にならんくなった。

お母さんは不倫してたけどまことを愛してたのは紛れもない事実やし他の人、場所、場面でどんな顔をしてても自分に向けられてる感情だけを見ることができたらいいなと思った。
例えば人を殺したりとかどんな悪事を働いてたとしても自分を愛してるということは事実で自分には優しい。この場合は「自分に優しいから好き!他の犯罪なんか気にしやん!」ってなるのは正直無理やと思う。無理やと思うけど、自分に向けられた愛情はしっかり受け止めてほしいなって思った。
ってか世の中全部根本的にはそんなもんじゃないかなと。
人は決して一色ではなく色んな感情を持ってて、色んな人とか状況によって見える色は変わる。みんな"カラフル"

センゴクがローに「受けた愛に理由などつけるな」って言ったのとちょっと似てるなって思った。
まぁ似てるってゆーか自分が受けた愛は素直にもらうのがいいなって意味で共通するなみたいな笑
まぁ素直に受け取ることができへんのが人やけどな

まことが「僕は人を殺したんだね。こばやしまことを。」みたいな感じで言った時ほんまになるほどなって思った。自分が死ぬのは自分の自由みたいな感じがあるけど、自分のその命はみんなに生かされた命やし自分のことを大切に思ってくれてる人の内面("カラフル")の中で大きな役割を果たす色であるということを忘れたらあかんなと思った。自殺って自らを殺すって書くし、他人を殺すのも自分を殺すのも残された側からしたら同じことやし、結局は殺人やなと思った。
まことがどのタイミングで自分の罪に気づいたんかちょっと気になる。

今まで、人によって対応が変わる、感情が変わる、自分がすきな人が犯罪犯してもその人のことすきなままでおれるんかな?とかどうなんやろ?って考えることがあったけどこの映画観て確信した。それでいいんやって。人の心はみんなカラフルやから。


〜2回目〜

ほんまに、助けられる。

登場人物の細やかな表情すごいな。細かい目の痙攣とか、目のクマとか、苦笑いとか、ほんっまに気づくか気づかんかレベルの細かい絵で心情を表現とゆーか、おれが知ってる、体験してきた感覚を想起させる。

主観ショット多いけど、ほんまに自分に言われてるようで、励まされる。
冒頭の魂状態での完全なる主観ショット、最後の屋上での主観ショット、ほんまに完璧な演出やった。
あっこで客観ショットやったら全然あかんなあ。あかんとも気づかんやろうけど、主観ショットみてもーたらもうこれしかないって感じ。
カラフルのまま生きていいんだ。
プラプラにほんまに励まされる。
1回目観たときにめっちゃ感じた「人の心はカラフル」ってことに加えて、「今、普通に生きてることが実はめっちゃ幸せ」「今が、やり直した、自分の過ちに気づいた後の自分からしれへん」って思わされた。

イメージソング尾崎豊の「僕が僕であるために」やねんな。

アンジェラ秋の「拝啓15のきみへ」めっちゃいい歌やな改めて。

ほんまに、いろんな事情とか想いを抱えてる子どもたちの、ほんの少しの力にでもなれる教師になりたい。

んで1回目観た時に思った「電車の写真」、あれ写真じゃなくて絵やな。すごいわ笑

冒頭の下界に降りるシーンからずっと、とにかくこの世が美しく描かれてる。
一度失った、自ら捨てたこの世界が、どれだけ美しいものなのか。それをやはり主観ショットでみせてくる。
ほんまに、だれかを勇気づけるために、励ますために、生きさせるために、つくったんやな〜って思う映画やなあ。
ほんまにありがとうございます。
森絵都、原恵一、その他大勢の関係者様

真に「あんたと2人で飯なんか食ってるとは、なんかもう、気持ち悪くて吐きそうだよね」とか言われたりすんのほんまにみてて辛かった。きつすぎるお母さんの立場やったら。
唱子が真に「お前メガネ取ったら、、、やっぱブサイクだな」って言われんのもかわいそすぎて、んでそのあとお母さん入ってきて、焦って急いで部屋を出る唱子に対して冷静に「メガネ(忘れてる)」って指摘する真と、その後のお母さん残った時の、自分がひどいことしたってわかってるから、普段はあんな態度とるお母さんに対しても、ちょっと苦笑いして誤魔化す感じとか、ほんまに空気感とか各人物の反応がリアルすぎて、自分の体験した感覚が蘇ってくるようやった。いつどこでどんな場面で体験したかはわからんけど、確実に身に覚えのある感覚な気がする。
そんぐらいリアル

ひろかも色々な色をもってるんやろうな。

唱子が終盤に美術室で真と喋る時、いつもと違ってめっちゃスラスラ、堂々と喋ってて、なんか、上手く表現できへんけど感じるものがあった。
深い部分の、素に感じてることを喋る時は、喋れる相手の前では、あんなけスラスラ自分のことが出るとゆーか、心で感じてることをクリアに話す時はあんな感じやねんなって思った。

真がお父さんと釣りに行った時に聞くお母さんの話とか、しゃぶしゃぶの時にみんなの自分に対する想いに気づいたりとか、『怪物』で感じたのと同じのん感じたな。
"見えてないところ"があるよね。そこに気づけた時に、どれだけ素直になれるかが大切な気がする。

音楽もまたよかったなあ
JO

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