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山の焚火のmimicotのレビュー・感想・評価

山の焚火(1985年製作の映画)
4.0
衝撃作
エイッと踏み込んでみたら
想像とは違って神話のようなお話でした

雲の絨毯にダイブしたくなるような
絶景が美しいアルプスの中腹
閉塞的に生活する4人家族は
人間というよりも"山の者"という感じがしました

天空の闇夜に焚き火の炎ゆらゆら
山は倫理観も無知も
ちっぽけなことだよと言ってるように
彼らを神秘と魔力で包み込み聳え立つ
焚き火の炎は身体を温め
蝋燭の炎はお別れのときを美しく厳かに見守っているようだった

思春期の聾唖の少年を"坊や"と呼ぶ
精神は幼いけれど身体は大人の階段を登ってる
そのアンバランスさは似ていると思う
"坊や"じゃなくなる日が来た時
彼は何て呼ばれるのかな

窓ガラス越しに深々と積もる雪は美しくも閉塞感を抱く
彼らの未来もまた閉ざされていくのでしょうか

もしも舞台が別の場所だったら
感じ方は全然違ったかな..
山だから神秘
そして神話的だった
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