レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説を、ロバート・ミッチャム主演で映画化。
1940年代ロサンゼルス。私立探偵マーロウが、7年の刑期を終えたばかりの男から依頼を受け、彼の恋人を捜す。
"The house itself wasn't much. It was smaller than Buckingham Palace and probably had fewer windows than the Chrysler building."
フィリップ・マーロウ映画は、『三つ数えろ』『ロング・グッドバイ』に続いて3作目の鑑賞。
良作。これぞハードボイルドもの。これぞフィルム・ノワール。安心して楽しめた。
やはり私立探偵マーロウのキャラクターが好きだ。匂い立つダンディズム、低くて渋い声、シニカルでユーモラスなモノローグ、ジョー・ディマジオの連続安打記録のチェックを日課にしている野球おじさん感。ボギーの方が好みではあるけれど、恰幅の良いミッチャムもなかなか良かった。ミッチャム版マーロウには可愛げがある。ちなみに、原作者が最もイメージに合うと挙げた俳優は、ケイリー・グラントとのこと。
スーザン・ボイル似おばはんの強烈ビンタと、ドリップ描写がインパクト大。
ファム・ファタールは、若かれし日のシャーロット・ランプリング。一際目立つ大男は、リチャード・ドナー版『スーパーマン』でクリプトン惑星出身の3悪人の一角を演じたジャック・オハローラン。
組織の下っ端運転手役として、『ロッキー』前のスタローンが登場。『ロング・グッドバイ』ではシュワちゃんが同じような役で出演していた。80年代を代表する2大筋肉アクションスターは、どちらもマーロウ映画出身だった。
"The house itself wasn't much. It was smaller than Buckingham Palace and probably had fewer windows than the Chrysler building."
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