のんchan

ステイト・オブ・ウォーののんchanのレビュー・感想・評価

ステイト・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
3.9
アルゼンチン🇦🇷映画、日本未公開でしたが、素晴らしいです‼️

1982年のフォークランド紛争とその後をアルゼンチン兵側からの視点で描いている、地味ですが力作です💫

冒頭は2001年のブエノスアイレスの5月広場が映る。経済の状況は予断を許さない程に悪化し、国民が大統領に対し怒りを露わにしデモ隊がパレードしている。
私はこの5年後にブエノスで暮らし始めていた。物価が急上昇していたようだが、日本と比べたら安くて私はとても暮らし易かった✨

エステバンに連絡が入る。戦友ヴァルガスが自殺を図った(PTSDによる薬物とアルコール中毒)ことで、18歳で戦地に行かされ、そこで起きた事を走馬灯のように思い浮かべる。

アルゼンチンにおける1982年のマルビナス戦争(フォークランド戦争)の帰還兵の自殺者は290人を超えた。これは戦死者に匹敵する数であった。

アルゼンチンって自分が住んで思ったけれど、何事も全てにおいて計画不足というかアバウトなのよね、国民性なのか?
始めは上手くいくと思われた戦争だったが、あっという間に緻密なイギリス軍に押され、壮絶な戦いの末に敗北を迎える。

戦争慣れしていない若者たち。それを指示する上官も実は素人同然だった。まるでパワハラの極地のような酷い有り様を映し出している。
空腹で恐怖しかない中、エステバンとヴァルガス、そしてその地で命を落とした盟友ホアンは3人で必死に生き残ろうとしていたのだが...

残念なことにヴァルガスの命は助からず、エステバンは嘆き苦しんだ。あの戦争で連れて帰れなかったホアンを偲んで弔いの為に戦地マルビナス諸島へ出向く。
そこで3人が潜んでいた洞穴を見つけ入った時、そこにホアンの遺品を見つける。震えて涙を流す素晴らしい演技で、こちらまで貰い泣きしてしまった。

ドキュメンタリータッチでリアル感がある。
ただ、低予算と言うのもリアルで、戦いの最中は画面がほぼ真っ暗なのはかなり残念😣そのせいで平均スコアが低いのだろうが、これは今のウクライナ🇺🇦や、万が一戦争が突然に起きたとしたら、国に限らず若者たちならそうだろうと同情しないでいられない。

短尺だし...ご覧ください‼️
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