氷雨水葵

マルドゥック・スクランブル 排気の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

4.0
2022年リライト114本目

カジノといえばブラックジャック

◆あらすじ
かつて自分を裏切った男シェル(CV:中井和哉)が経営するカジノに乗り込んだ、少女バロット(CV:林原めぐみ)とドクター・イースター(CV:東地宏樹)。バロットは、金色のネズミ・ウフコック(CV:八嶋智人)の力を借り、シェルの記憶が隠された100万ドルチップを手に入れる。

そして、シェルの悲痛な過去を知ったバロットは、自分を取り戻すため決着をつけることに―――。

◆感想
前作に引き続きカジノシーンから幕を開けるわけですが、今度のゲームはブラックジャック!しかも、凄腕ディーラー・アシュレイが相手と来た。ウフコックのことを見破るとは思わんかったが、バロットのほうが一枚上手だった!でも、途中途中のバロットを追い詰めていく感じはすごくハラハラドキドキ。最後は皮肉にもアシュレイの助言のおかげで勝ったわけですが、勝つべくして勝ったという印象。ベル・ウィングとの勝負もバロットにはいい経験になっていて、バロット自身の運のほうが上だったんですね。しかも、手に入れたシェルの記憶媒体である4枚のチップ、はじめから言っていたように中身だけいだたくという華麗っぷり。2作目、3作目のMVPは間違いなくベル・ウィングとアシュレイやな。

そして、ハラハラドキドキの駆け引きが終わったと思ったら、ボイルドおじさん登場。カーチェイスしながらの銃撃戦は一瞬で終わったものの、なかなか迫力のある仕上がりに。
その後は、シェルの犯罪の動機(トラウマ)を追う流れ。とはいえ、シェルが逮捕されて終わるはずもなく、バロットが自分を取り戻すためにシェルやボイルドに挑んでいきます。シェルとボイルド、両名の過去を知ると妙なカタルシスを感じるのですが、そこがまた脚本の素晴らしさ。シェルはただの少女好きじゃなかったし、ボイルドも訳あってウフコックと反目したんですね。
相変わらずウフコックが銃にターンする瞬間かっこいいしおしゃれ。2丁拳銃なバロットも素敵。バロットのカジノでの可憐さが幻だったと思うくらい、ボイルドとのバトルはギャップがすごい。GoHandsによるハイクオリティな映像には変わりないけれど、動きもヌルヌルしてて見入ってしまう。「ウフコックのそばにいてくれ」口パクだったけど、ボイルドの遺言が辛すぎた…パートナーとしては失格だったけれど、ちゃんとウフコックのことを想っていたんだね。
バロットの事件は完結したけど、まだまだバロットの人生はこれからというラストでした。銃の姿のままのウフコックを抱くバロットの表情が切ない。バロットの涙につられて私も感涙。今までのウフコックやドクターとのやり取りを思い出すと、ドライブしているバロットがどこか遠くへ行ってしまいそう…。これからもウフコックのよきパートナーとして、1人と1匹には幸せになってほしい。

シェルとかボイルドとか云々より、ショタ&幼女好きのオクトーバー社のデブオーナー(?)の所業許すまじ…ウフコックには悪いけれど、バロットあいつは撃ってもよかったよ。

自分を取り戻すバロット、有用性を証明するウフコック、1人と1匹の切ないラストをぜひ。
氷雨水葵

氷雨水葵