もやし

ルチオ・フルチのマーダロックのもやしのレビュー・感想・評価

5.0
ただ連続殺人ものを見たいというだけで見たけど、この監督実は凄い人で驚いた。
ホラー、スプラッター映画を中心に制作。
没後再評価され、今やスプラッター映画のマエストロという位置付けになっている。
サム・ライミやクエンティン・タランティーノはこの監督の作品に強く影響を受けたということを度々発言している。


使い古しの表現だけど、斬新すぎる演出により全く古さを感じさせない。

この映画のストーリーとしては、トップクラスのダンサーを集めて訓練して最終的にはオーディションでトップ数人を選ぶというもの。この設定は連続殺人に最適な環境だなー

まずこの映画を作るきっかけになったのが、当時大ヒットしていたフラッシュダンスに便乗するという不純でお馬鹿な動機でちょっと笑ってしまった笑


まずスタートのポップすぎて頭がおかしくなりそうになる音楽と共に複数の露出の多すぎる衣装を身に付けた女の人達が汗だくで踊っているという絵面に狂気を感じた。


あとは印象的だったのが頭の切れる髭面のベテラン刑事。捜査中ずっとポケットからナッツを取り出して食ってるの笑う笑
人の話聞いてる時も鉛筆噛ってたりと色々と笑っちゃう。何でも見透かしている感じがオーラが出ていて迫力があった。

殺人鬼が近付いてくると必ず照明が点いたり消えたりする演出も怖かった。

全部は言及できないけど飽きさせない工夫に満ちていた。
サスペンス部分はさすがに今となってはわかりやすいものになっているが、私は終盤になるまで読めなかった。でも犯人の動機に関してはまさかそう来るとは…!という感じだった。


尺も96分と短いし単純にストーリーもおもろいし、天才肌の演出を見たい人、映画の歴史に詳しくなりたい人(不純笑)にはオススメしたいです。
もやし

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