よーだ育休中

リトル・マーメイドのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(1989年製作の映画)
4.0
海の王トリトンの末娘である人魚のアリエルは、陸に暮らす人間の世界に興味を抱くおてんば娘。ある晩、彼女は沖合に停泊していた交易船の宴を覗き見た際、爽やかな人間の王子エリックに恋をしてしまう。


◆歩いて、走って、陽の光浴びながらー

アンデルセン童話の『人魚姫』から着想を得て製作された、ディズニー長編アニメーション作品。ディズニー100周年記念イヤーの作品である実写マーメイドの劇場公開に合わせて地上波放送されたものを初鑑賞しました。

『Part of Your World』『Under the Sea』『Poor Unfrortunate Souls』などの有名な楽曲はパークのパレード等でも多用されているため、今まで何度も耳にする機会がありました。ですが実際にアニメーション作品を通して観た(聴いた)のは今回が初めてでした。

ミュージカルテイストの作品であり、物語に即した内容の歌詞で歌われているため、やはりストーリーの流れの中で聞いた方がグッと来ますし曲の真意もストレートに伝わってきます。逆に、ストーリーから外れた曲を単体で聞いてもグッと来るものがあるのは、Alan Menkenが生み出した曲が如何に素晴らしいかという事の証左に他なりません。


◆自由に、人間の世界でー

アンデルセン童話の『人魚姫』は、人間の王子に恋をした人魚を主人公に据えて描かれる「異種族間の悲恋の物語」でした。今作はディズニーの魔法によってハッビーエンドの物語に仕上がっていますが、今作はロマンス部分だけでなく《親心》が丁寧に描かれていたと思います。

七つの海を統べる強大な王・トリトン。彼が年頃の娘への接し方に葛藤する姿は人間味(人魚味?)があってとても良かった。時に理不尽に見えてしまうような厳しい躾も、すべては大事な娘を思うが故であることがよくわかります。まさに海のような深い愛を持った父親として描かれていました。

最後には娘の気持ちにしっかりと向き合い、全父親の気持ちを代弁していると言っても過言では無い素晴らしいセリフで物語を締め括ります。



一つ問題が残る。

娘が居なくなると、とても寂しい。