御朱印帳

影武者の御朱印帳のレビュー・感想・評価

影武者(1980年製作の映画)
3.3
武田信玄には影武者が多数いたという話から着想を得て、構想された映画。逆さ磔で死刑になるところを信玄に瓜二つだつたことから信玄の弟信廉に拾われて、信玄の影武者になつた盗人から見た、戦国の世、長篠の戦い前後の徳川家康、織田信長、上杉謙信などの駆け引きや戦いを描く高級な時代劇。

信玄が3人いるかのような最初の場面、織田信長も能を披露するなど能の場面が何度か出てきて、黒澤明は能が好きなんだな、と感じる。戦国武将同士は探り合いをしながらもお互いをリスペクトしていたように描く。

死せる孔明いける仲達を走らす、という故事を思い出した。また、武田の騎馬隊といえば風林火山、壮大に描く一方で織田信長の鉄砲隊に破れるその最後も壮大なに描く。

黒澤プロダクションと東宝の提供ながら、予算が多額となり、東宝が渋っていたところ、既に巨匠であつた黒澤を助けるため、ジョジルーカスやフランシスフォードコッポラが21世紀フォックスに話を持ち込んで実現した映画。

配役には桃井かおり、倍賞美津子が信玄の側室役、志村喬、藤原鎌足は最後の黒澤映画出演、山崎力、荻原健一、根津甚八も出演したが、言われないとわからない。当初は仲代達矢ではなく、勝新太郎が武田信玄役だつたがやめてしまった。確かに若い勝新で見たかった。

でも、ちよつと長いかな。
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