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プリンス/パープル・レインのtakのレビュー・感想・評価

3.6
高校3年の春。僕の生息地で「ベストヒットU.S.A」の放送がやっと(!)始まった😭。突然洋楽ファンになったヤツもたくさんいて、僕らは寄るとさわると音楽の話ばかりやっていた。17,8才でプリンスの洗礼を受けた僕らは、”バスタブで歌う変な黒人歌手”(When Doves CryのPVのことね)と言いながら笑っていた。しかし、プリンスの楽曲のジャンルを超えたカッコ良さ、ステージアクション、今までに聴いたことのない動物的なシャウトの声、そしてエロエロの歌詞に魅了されていった。

僕はラップやヒップホップが苦手だ。にもかかわらずそうした要素が多分に盛り込まれている音楽で、今でも聴き続けているのはプリンス殿下をおいて他にない。それはロックンロール、ファンク、ソウル、ディスコなど様々な音楽を消化したプリンスの音楽性故だろう。僕が”殿下”と敬意を込めて呼ぶ対象は、彼とパタリロ=ド=マリネール8世のみである。

映画「パープル・レイン」は、ザ・タイムのモリス・デイなどのプリンスファミリー総出演の長編ビデオクリップの仕上がり。しかし単独の映画として観ると難ありではある。こういうものを観ると、映画ファンとしての僕と音楽ファンとしての僕が対立を始めることになる(「クロスロード」のレビュー参照・二重人格かよw)。
😒「恋あり挫折ありのストーリーだけど、正直言うとさして面白くもないじゃねえか。」
と映画ファンとしての僕が言う。

見どころは何と言ってもステージ場面で、冒頭のLet's Go Crazyの疾走感で一気に引き込まれてしまう。後に羽生結弦も使用した華麗なるロック。僕はあのクドいイントロとエンディングが大好きなのだ。高校時代仲良しだったスティーブ・ペリー似の友人は「ヒューイ・ルイスならあの半分くらいだ。」と評した。いやいや、あれがいいんすよ。オルガンをバックに語るイントロの台詞は僕らを導こうとする神父の説教のようだ。その先にはエロエロでノリノリの歌が待っているけれどw。

クライマックスの Purple Rain をはじめどれもインパクトの強い曲ばかり。ギターのネックをペニスにみたてたステージアクションや、お得意のスライディングもふんだんに出てくる。

🤩「殿下最高じゃん!こんなに映画の主人公が役者であるアーティストに重なって見える音楽映画なんてねぇぞ。」
😒「それってもはや映画じゃないやん」
🤩「カッコいい音楽があるだけでサイコーじゃん🎸⚡️。この2時間に後悔はあるかい?ないだろ?」
はい。音楽ファンの僕の勝ちー🎸💪

プリンス本人が演ずる主人公は、自分に肌を見せる女をヘラヘラ笑って見ていたかと思えば、ずぶ濡れの彼女を置き去りにするかなりイヤな奴。やたら艶めかしいラブシーンがあるのだけれど、あれを見たわが妹は
😡「この人たち歌手でしょ!何やってんのよ!」
と激怒した(笑)。

そして、僕は自分の結婚披露宴で紫のタキシードを着たのでした😆。
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