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恋人たちの予感のtakのレビュー・感想・評価

恋人たちの予感(1989年製作の映画)
4.5
この映画の音楽を担当したハリー・コニックJr.はニューオリンズ生まれのジャズ・ピアニスト。また歌もこなし、俳優として映画にも出演している才人。彼は僕より一つ歳下で誕生日が同じ。そんな(勝手な)親近感もあり、「恋人たちの予感」サントラは、80年代ものの中でもお気に入りの一つ。主題歌It Had To Be Youは、ビッグバンドをバックに歌ったものと、ピアノ・トリオでの演奏が収録されている。本編のエンディングでは、フランク・シナトラのヴァージョンが流れる。この対比が映画ではとても印象的だ。さらに、ガーシュイン、リチャード・ロジャース、ベニー・グッドマン作品もプレイされているが、これらはロブ・ライナー監督自身が選曲したとか。これは愛聴盤。

さて。映画の方はメグ・ライアンの出世作となり、以後ロマンティック・コメディの代表作となったヒット作。ロブ・ライナーの離婚経験がそもそもの元ネタ。離婚のショックから立ち直れない気持ちをノーラ・エフロンに話したら、女性の本音も加えられた脚本ができあがり、性別を問わず多くの支持を集める映画として完成したのだ。ロブ・ライナーはハリーの友人役で出演もしている。

ポスターやジャケット写真にも使われている紅葉の美しさも見どころのひとつ。この風景を撮影監督は、後に「アダムズ・ファミリー」を監督することになるバリー・ソネンフェルド。

男女間に友情は成立しうるのか?
これはこの映画の究極のテーマ。

僕はどちらかと言えば"イエス"と答えたい。僕自身、異性の友達の方が本音で話せることがある。男同士って共通のコミュニティに属しているとか、趣味とか、ビジネスとか、よっぽど共有できる何かがないと親しい関係を保つことは難しいこともある。だから信頼できる異性の友人は、僕にはとても落ち着ける存在。うちの配偶者も、腐れ縁みたいなお友達から発展した関係。友達から始まって一歩踏み出す恋愛映画が好きなのは、きっと共感できるからだと思うのです。はい。
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