BOB

スコアのBOBのレビュー・感想・評価

スコア(2001年製作の映画)
3.5
デ・ニーロ×エドワード・ノートン×マーロン・ブランド。各世代を代表するスター俳優が共演した、フランク・オズ監督のケイパー映画。

モントリオール。引退を考えている超一流のベテラン泥棒が、長年の友人から破格の儲け話を持ちかけられ、1人の若者と手を組んで、最後のヤマに挑む。

"When was it you started thinking you were better than me?"

これ、ハリウッド版『地下室のメロディー』やん!ジャン・ギャバンvsアラン・ドロンも素晴らしかったが、デ・ニーロvsエドワード・ノートンも見応えがあった。

本家同様、アクション以上に役者の演技を売りにした、静的で写実的で現実的なケイパー映画。クライマックスまで、あまり盛り上がることもなく、淡々と計画が実行されていく。このフレンチノワール的演出が好き嫌い分かれる所なのだろうが、もう少し評価が高くても良い作品なんじゃないかと思う。

ハイライトは、全身黒ずくめの泥棒デ・ニーロが金庫破りに挑むシークエンス。派手さはないがスリリング。ここで興奮したのは、金庫破りの道具、装備、テクニックにリアリティがあること。小型スパイカメラや、宙吊り状態で天井を渡る時に活躍したローラー靴、金属カッター、水圧を利用した金庫破り術など、どれも実現可能なものに思えた。デ・ニーロの手際の良い仕事ぶりも格好良かった。

フランク・オズ監督は『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』などのコメディ作品のイメージが強かったので、クライム・サスペンス映画を手掛けていたのは意外。

名優マーロン・ブランドの遺作。『Dune』のハルコネン男爵かと思うくらい巨大化していたので、本当にこれがマーロン・ブランドなのかと何度も目を疑った。

この役を引き受けたのは、ひとえに、デ・ニーロとマーロン・ブランドと同じポスターに載りたかったからだと後に明かしたエドワード・ノートン。この二人なら、それだけの価値は十分あっただろう。それにしても、本作然り、『真実の行方』然り、『マザーレス・ブルックリン』然り、障害者を"演じる"ことが多いなー。

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