ガブXスカイウォーカー

チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

4.0
安定のチャイルドプレイシリーズ第4弾。
今作の最大の売りはタイトル通り、新キャラ、チャッキーの花嫁ティファニー(ジェニファー・ティリー)である。スタッフは『フランケンシュタインの花嫁』(1935年)を観て思いついたそうだが、『ゴジラの息子』(1967年)でゴジラに子供ができた級のぶっとんだ発想だ。いや素晴らしいアイディアだし、成功している。

ティファニーは人間時代のチャッキーの元恋人であるが、仲違いにより殺され、生きる花嫁人形にされてしまう。人間のティファニーがチャッキーに殺されるシーンは映像が凝っており、前半のクライマックスと言っていいだろう。このティファニーが単なる殺し大好きなバカ女ではなくロマンチストの設定が今作のテーマの「愛」に繋がっていく。

自分のことしか考えない殺人鬼チャッキーと振り回されるティファニー、様々な困難に会いながらもお互いを尊重しあおうとする人間のカップル、ジェイド(ニック・スタビル)とジェシー(キャサリン・ハイグル)、正反対の2組のカップルを対比しながら「愛」を描いているところに感心。後半のクライマックスではジェシーとジェイドのけなげな姿に心打たれたティファニーが傲慢なチャッキーに切りかかる。実にわかりやすい形で、「愛」のテーマを貫き通しているじゃないか。

もちろん、全編通しての見せ場はチャッキーたちの殺しだ。相変わらず小さい身体に似合わず、顔に無数の釘を打ち込んだり、パトカーを爆破したりと豪快なスプラッター描写で笑わせてくれる。なおチャッキーとティファニーのエレクトリック・メカ人形は技術が向上し、タバコを吸ったり、ディープキスをしたり(残念ながらセックスはシルエット処理で見せない)とまるで生きているようで、これだけでも鑑賞する価値はあるのかも?

ハッキリ言って今作はくだらない(良い意味で)。頭の悪い登場人物たちに、愛、スプラッター、ギャグ、ロードムービーなどをミックスして特上のおバカ映画に仕上げているのだ。上映時間が88分と短いのもいい。俺のようなボンクラにはピッタシで、チャイルド・プレイシリーズが続いたのも納得である。古き良き時代のスプラッターコメディとして鑑賞し、ハラハラして笑ってスカッとするのもいいだろう。
大オマケして4.0。