なすび

フェリーニの道化師のなすびのレビュー・感想・評価

フェリーニの道化師(1970年製作の映画)
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⚠️アマプラで100円でレンタルできて安い最高!と思って見たら、字幕が常に音声より何秒か早く出るというバグがあり最悪だった…笑 それでもなんとか見れてしまうのが人間のすごいところ(?)常に先に字幕の内容を覚えておかないといけないので脳トレかと思いました。あと音声もなんかあんまよくない。こんなのが100円で!(嬉)からこんなのを100円で!?(怒)に変わりましたよ。みなさまお気をつけてください…Filmarksで他の方々も注意喚起してくださっているのですが自分はこの映画に限って楽しみにしすぎて他の人のレビュー読まずに情報何も入れずに楽しむぞ😆と意気込んでしまったのでした。人生とは…。

フェリーニがフェリーニ役で出てくる!バケツ頭に落ちてくるシーン最高だ😂
こんなにたくさんの道化師さんたちを見たのは初めて!!!まさにフェリーニの道化師愛が爆発してた💥

ある元道化師さん(か、元道化師さんの家族)の家に、キートンの写真も飾ってあって嬉しかった!
チャップリンの娘さんも出てきます!

フェリーニはこの映画で道化師の死を描いているけど約五十年後に(そんなに経つのか!)『ジョーカー』が世界で爆当たりしたのを見たらどう思ったんだろう。道化師好きのフェリーニのジョーカー評を聞いてみたかった笑💭

今ちょうど『私は映画だ フェデリコ・フェリーニ夢と回想』という本を読んでいるので「この話映画に採用されてる!」とかこの映画についてフェリーニが言及してる文章もあってフムフムと思いながら読み/見してた。自分用にここにメモを残しておく。



どちらかというと、パリは舞台のセットのような印象を与える。パリについてはとっくに、あらゆることが歌われ、額に入れられ、選び出され、上演されてきた。
パリの幾つかの記念碑的な建築物には、葬式のような沈んだ雰囲気がある。私は『道化師』(これは道化師たちの死を題材にしている)という自分の映画のために、葬式のような沈んだ環境が必要だった。私が見つけた場所は、ドルセー駅、モンソー公園入口、アレクサンドル三世橋、テュルビゴ通りの一角などで、みんな私のねらいにたいへんぴったりしていた。これらの場所にはまるで人けがないか、あるいは何人かの気むずかしい番人のためあまり人がいなかった。


まさにこうした理由から、たとえばイングマール・ベルイマンのような監督に対して、私は最も強烈な、心からの賛辞をささげる。まさしく彼こそ本当の才人、本物の創作家、真の見世物師だ。ベルイマンは、まさに私が見世物ということばで意味するものの生きた手本である。つまり、芸術ではあらゆる手段が許されることを彼は実際に見せてくれる。私は彼の映画を『野いちご』と『魔術師』の二本しか見ていない。それにしても、私は『魔術師』を見ていくぶん気がめいった。というのも、それは私が四、五年前に書いて映画化するつもりだった物語とまるで同じだったからだ。もちろん、物語の風土は違っていたけれども。彼は北欧的であり、私のほうは地中海的・ラテン的だが、主題はまるで同じだ……。ベルイマンの物語の語り方、彼の気質の豊かさ、そして何よりも彼の自己表現の仕方は、まさしく見世物師にふさわしいものだと思う。つまり、彼は魔術師と手品師の、予言者と道化師の、ネクタイ売りと説教師の混合体である。これこそ見世物師のあるべき姿にほかならない。

『フェデリコ・フェリーニ 夢と回想』より
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