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ジェイン・エアのtakのレビュー・感想・評価

ジェイン・エア(1996年製作の映画)
3.3
シャーロット・ブロンテの原作は幾度も映画化されているが、本作は名匠フランコ・ゼフィレッリが監督を務める。文芸ものは定評のある監督だけに手堅い演出で、全体的に品よくまとまりすぎているように感じた。優等生ぽい映画化に感じられる。

2011年のミア・ワシコウスカ主演版は時系列を変更する試みで面白い。だがゼフィレッリ版はきちんと時系列を貫いて、少女時代をきちんと描きたかったのだと思える。それは当時史上最年少でオスカー助演賞を獲得したアンナ・パキンをキャスティングしているからだ。それを活かさない手はない。映画前半は、可憐な少女の絵になる場面が多かった印象がある。

成長してからを演ずるのはシャルロット・ゲンスブール。昔から挑戦的な役柄が多い人だけに、英国文芸ものだとどうも抑え気味に見える。もともと激しい役でもないから仕方ないのだけれど、前半のアンナ・パキンが思ったよりも活発なキャラに見えたから、シャルロットの暗い表情でますます薄幸な役柄に見えてしまう。それでも時折り見せるはにかんだ笑顔がいい。

この作品あたりから、シャルロットは大人になったなと感じた。父セルジュに似てきた気がする。
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