のんchan

ウィスキーののんchanのレビュー・感想・評価

ウィスキー(2004年製作の映画)
4.5
これはウルグアイ🇺🇾のカウリスマキと言えると思う。
とっても好み💘
あ〜余韻が堪りません😆

アルゼンチン人もそうなんだけど、ウルグアイ人なんてもっとシャイな人が多いはず(実際に3回訪れました。長閑で小さな国です)
そこを前提に観ないと地味映画で終わらせてしまうのが勿体無い。
心の機微を読み取れる方と鑑賞後に沢山語りたくなる、味わいしかない、そんな作品🌟


ジャケ写の3人が織りなすヒューマンコメディ。
右端が主役のハコボ。小さな靴下工場の経営者。朴訥で人付き合いが苦手な初老の独身。長い間自宅で母親の介護もして来た優しい男でもある。毎日のルーティンをこなすような日常を送っている。

真ん中は工場に長年勤務している真面目が取り柄の中年マルタ。
ハコボの世話係兼3人しかいない女子工員を纏めているベテランの独身。

左はハコボの弟エルマン。若い時にブラジルへ渡り、靴下メーカーを立ち上げ妻子を持ち成功している陽気な男。しかし、多忙を理由に母親の葬儀にも帰省せずで兄とは疎遠になったままだった。


この度、母親の墓を建てることでエルマンが久しぶりに帰省する。
そこで、ハコボがマルタにあるお願いをする。
それは"偽装結婚"👩‍❤️‍👨
エルマンの手前、体裁を作りたく、2〜3日一緒に暮らして欲しいと言い出す。
それを戸惑うことなく受け入れたマルタ。

自宅に行くと男の一人暮らしがあからさま。
せっせと掃除し、壁には写真と絵皿を飾り、寝室は母親と使っていたシングルベッドをくっ付けてダブルベッドへ変える(ハコボがまた離す🤣)
母親の結婚指輪を嵌め、夫婦写真をわざわざ撮りに行く...

そんなこんなの嘘で固めた俄か夫婦と弟との数日間、しかも弟が旅行に行こうと連れ出して...

マルタの女心が痛い。旅行先のホテルで購入した水着を着てプールへ、まだまだ女なのに...ハコボへの恋心が見え隠れするが、鈍感なハコボはツレナイ態度。

大人だけの静かな時の流れだが、ちゃんと面白い。クスッと笑えてツボにハマる。三人三様の気持ちがそれぞれ理解できる歯痒さ。
ラストは仰天することが起きる😮

ハコボが包んだマルタへの贈り物が🎁

タイトルは写真を写す時に、日本で言う『はい、チーズ‼︎』の意味合いで、ウルグアイは『ウィスキー‼︎』と言って写す📸




※渋く粋な作品を30歳で制作したファン・パブロ・レベージャ監督は公開2年後に自殺。残念でなりません😢

※弟役、ホルへ・ボラーニは私の満点💯オールタイムベスト『ぶあいそうな手紙』の主役です⭐️
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