佳子

毎日かあさんの佳子のレビュー・感想・評価

毎日かあさん(2011年製作の映画)
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「神様 わたしに子供を ありがとう。」

西原理恵子さんは、チクロ幼稚園の頃から読んでて。
マージャン放浪記とかウラミシュランとか、できるかなシリーズ、その痛快な語り口と女でありながら何も守らないその姿勢にゲラゲラ笑ってずっと追いかけてました。
毎日母さんも勿論一巻から読ませてもらってて。破天荒で、全てを笑い飛ばす育児エッセイ。1巻が、自分が子ども産んだ歳に出て、毎年一冊だけ発行されるのを心待ちにしていました。
私も子供が1歳の時離婚し、バイトしながら通信で教員免許とってる頃で、日々の不安や育児のしんどさを笑い飛ばし励ましてくれているように感じていました。
鴨ちゃんが亡くなる4巻を初めて読んだ時の衝撃は忘れられないです。
嗚咽したし、それから何度読み返してもやっぱり泣いてしまいます。

女として母として1人でも生きていく喜びと覚悟をもらった作品。

その映画化。

原作では、アルコール依存症の彼の奇行もいつも笑いに包んで描いており、本当に洒落にならない暴力などの描写は一切ありませんでした。
描かれたのは4巻のたった一コマだけ。破れたカーテンと倒れたゴミ箱の前で割れた食器を片付けている彼女の後ろ姿。
それがいかに壮絶なものだったかが私たちに伝わった一コマです。

映画では戦場カメラマンとして、計り知れないトラウマに陥っていた彼の内面や、行動を結構がっつり描いていて、ギャグ漫画ではない、現実よりの作品になっていましたが、実写化としては正しい描き方だったように思います。
小泉今日子もなんとなく西原さんに似てるし、永瀬正敏は鴨ちゃんに似ている。空気感が凄くリアルでナイスキャストだったと思います。流石もと夫婦。
お互いが役者として、この役を受けたこともなんか素敵だ。

ちょっと原作への愛が深すぎて点数を客観的につけられないのですが、見て損はない作品だと思います。
佳子

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