佳子

ベルリン・天使の詩の佳子のレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
3.4
「子供は 子供であった頃 すまさず写真に写った。」

確かに、子供の頃のアルバムを思い返してみると写真を撮られる時カメラを意識していなかった。
幼い自分はそのままの機嫌でフレームの中に収まっている。嬉しい時には笑って、悲しい時は泣いて、退屈な時は不機嫌そうに。
いつから、同じような笑顔を作って写真に収まるようになったのだろう。

perfect daysの余韻がなかなか消えないので、ヴィム.ヴェンダースの有名作を観てみました。

モノクロとカラーを効果的に使い、天使👼が街の人々の側でその呟きに寄り添うというその試み。perfect daysで、もっとシンプルに伝えようとしたテーマをもう少し分かりにくく実験的に撮ったら、この様な作品になるのかなと感じた。
ただ生活の中にある、当たり前を一生懸命に生きることの尊さ。
大人になって、見失ってしまう何か。

が、おそらくめちゃくちゃ人を選ぶ作品。
詩を楽しむ感性のない人には辛いと思う。

2024-19
佳子

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