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地中海殺人事件のtakのレビュー・感想・評価

地中海殺人事件(1982年製作の映画)
3.3

1970年代後半からアガサ・クリスティ原作のミステリー映画は次々に製作された。ピーター・ユスティノフがエルキュール・ポアロを演じたこの時期にクリスティ映画にハマってたから、僕にとってポアロといえばテレビ版のデビッド・スーシェよりもこっちなんです。

ポアロが訪れたアドリア海のリゾート地で起きた殺人事件。登場人物たちそれぞれにアリバイがあるが、ポアロの推理が真相にたどり着くプロセスは何度観ても痛快。他の映画化作品と比べると明るく、「そして誰もいなくなった」の追い詰められる緊張感や「ナイル殺人事件」のような重苦しさはない。タイトルバックは絵葉書のようにオレャレなイラスト、音楽も数々のミュージカルで知られるコール・ポーター作品が散りばめられているからなおさら。

謎解きのトリックも他の映画化作品と比べてもシンプルだし気楽に楽しめるクリスティ映画化作品。ジェームズ・メイスンは憎まれ役が多い人だし、ロディ・マクドウォールも長いキャリアの大物だし疑われそうなキャスティングが今回もうまい。個人的には「女王陛下の007」のボンドガール、ダイアナ・リグに久々にお目にかかれたのは嬉しかった。
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