ホームに立つ四人の若者のシルエットが最高にカッコいい。
今年、シネ・リーブル梅田がテアトル梅田に生まれ変わり、
その記念として、本作がスクリーン上映されていたので観に行ってきました。
1990年代、カルチャー史に名を残した名作イギリス映画で、NHK『世界サブカルチャー史』では、『喪失の時代』を代表する映画として紹介されていました。
https://www.nhk.jp/p/ts/GLP33Y7513/blog/bl/ppwgKw97Wp/bp/pMPD5ZDoYM/
東西冷戦の終結による好景気。皆がなんとなく浮かれ、Windows95の発売にともなって急速にインターネット化が進んだ時代。しかしその好景気はアメリカ主導の自由主義によるもので、格差は拡大。光が明るいほど陰は暗くなる。そういう時代だったそうです。
本作のテーマ曲、イギリスのテクノユニットUnderworldの『Born Slippy』は言うまでもなく、ブラー(Blur)、オアシス(oasis)、スパイス・ガールズの『ワナビー』 が大ヒットした時代。この頃のイギリスは元気でしたね。
そんな本作ですが、ちゃんと観たのは初めてでした。
タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」が1994年、ヴィンセント・ギャロの「バッファロー'66」が1998年。どちらかと言うとアメリカ映画の方が好きで、イギリス映画特有の陰鬱な雰囲気が苦手なこともあり、本作冒頭のトイレシーンで、やっぱ無理🤮って、挫折してしまっていたのでした。。
そんな本作を今回、割と面白く観れたのは、自分も歳を取り、いい意味で感受性が鈍くなったことと、当時の最先端カルチャーもそれなりに時代を経て、”当時カルチャー史に名を残した歴史的名作” として観ることが出来たからだと思います。
ゲロまみれ、クソまみれ、セックスまみれにドラッグまみれ。幻覚と現実が織りなす直視出来ない映像が、スタイリッシュなファッションとMVのようなおしゃれな映像、ドラッグを音にしたかのようなテクノ音楽を合わせるとあら不思議、当時の若者文化を象徴する見事なカルチャームービーになっていました。
本作でユアン・マクレガー演じるレントンと関係を持つ中学生、ダイアン役のケリー・マクドナルドが可愛かったですが、彼女がコーエン兄弟の「ノーカントリー」でジョシュ・ブローリン演じる主人公の妻役だったとは知りませんでした。
本作がオーディションで勝ち取ったデビュー作だったようですが、今も第一線で活躍されてなによりです。
T2も評判良いみたいなので観ないといけないですねー。