「泣いたらいい人なんかなぁ、そんなん当てにならんやろ」
“寄り添う”っていう言葉が使われるようになったのは、案外最近のことだと記憶している。
私はこの言葉が嫌いだ。特に、ワイドショーのコメンテーターが発する“寄り添う”には、弱者を救ってあげる、みたいな上から目線を感じる。
本来、“寄り添う”は、フラットな立場の二人が、無条件に相手の気持ちを受け入れることを言うんじゃないだろうか。
この映画の、ちょっと心のバランスを崩しかけた妻・木村多江への夫・リリー・フランキーの振る舞いは、まさに“寄り添う”という言葉にふさわしい。
“優しい”だけじゃないんだな。
我が家では、いよいよ子供が巣立とうとしていて、妻と二人で過ごす時間が次第に長くなってきた。夫婦の関係を見つめ直すよい機会になった。
「大事にできるものがあるときゃ、大事にしとけよ」
2017/03/26 初回投稿(☆3.0)
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