よーだ育休中

トイ・ストーリー3のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)
4.0
10年前の作品とは思えないくらいCGのクオリティが高く、違和感なく楽しめた。

中盤以降が印象的。おもちゃ達が自宅を目指し、個々の特性を活かしてピタゴラスイッチのように連携する様は面白い。
特に、今回は極悪苺熊ロッツォが独裁しているサニーサイド幼稚園(芋虫組のお友達もエグいし、新入虐めもひどい。監視の目が光り監獄まである、おもちゃ達にとっては世紀末都市状態。ケンに対して仲間内でも「女の子のオモチャだ!」と軽く女性蔑視的な発言も飛び出す始末!)に続いてゴミ集積場からの脱出。前作(鶏男の会社)・前々作(隣の家)と比べてもかなり劣悪な環境からの脱出を目指すものであり、見応えがあった。

また、今作はやっとの思いで自宅に帰っても、待っているのは持主のアンディではなく屋根裏行きの段ボール。この時点でかなり切なくなる設定。

ラストシーンは歴代の作品随一。帰還して終わりではなく、大人になったアンディとの別れに繋がる。
序盤では照れくさかったからだろう「junk」と言っていた宝物を、ボニーに譲る。中でも特別な存在であるウッディとアンディの決別のシーンは忘れられない名シーン。
この瞬間だけは、ウッディやバズの視点ではなく、(おそらく)初めてアンディの視点で物語に介入する事になる。どんなに大切だったとしても、ウッディはおもちゃ。その決別・喪失がアンディが真に大人になった瞬間であり、ラストカットのなんともいえない表情にあらわれている。大人になって鑑賞するからこそ感じる事ができる痛みだなぁと。

ウッディもアンディと別れることになり、大親友はそれぞれが自分の新しい道を行くことになる。西部一のカウボーイは「So long. Partner.」と、ただ一言だけ呟き立ち上がる。明るく優しい光と音楽が染みる。

前作でも様々な映画のパロディ要素満載であったが、今回はトトロががっつりカットイン!思わずニヤリとしてしまった。