Genichiro

ペイルライダーのGenichiroのレビュー・感想・評価

ペイルライダー(1985年製作の映画)
4.4
冒頭から心掴まれる。集落をめちゃくちゃにされたと思ったら、今度は街に出て袋叩きにされて…そこからの「火遊びはよせ」。棍棒が次々に宙を舞い、ボッコボコ。突然現れ、突然消える馬に乗った男としてのイーストウッドの身振りが本当に素晴らしい。ウイスキーを飲み干す時のあの眼!究極の引き立て役、七人の保安官の立ち姿がおもろい。立ち位置から完璧に設計されている彼らと対極にいるのがラフッドと対立関係にある人々だ。彼らのぼんやりとした感じはなんなのだろうか。まずあの父親の人柄ウケるわ。無神経というか、危険を察知する能力のない感じ。砂金の塊を持ってグビグビ酒飲むおっさんに爆笑、二瓶正也を彷彿とさせる。そしてこの男の端末が凄まじい。「伴奏してやれ」って!物語が終盤にさしかかるころ、イーストウッドに投げかけられるWho are you?という問いの重さ。そして娘の不規則行動は成瀬巳喜男作品のような情動とは全く別物であるということについて考える。最終決戦も完璧だ。井戸から伸びた手、引きずられていく保安官を見送ってイーストウッドとご対面。散々体に弾を打ち込んだあと、頭に一発。そして男は去っていく。最後まで保安官との関係性は説明されない!凄まじい!これが1985年ってやばすぎるんよな。
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