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黄色いからすのyusukepacinoのレビュー・感想・評価

黄色いからす(1957年製作の映画)
3.8
中国からの引き揚げ者とその家族。8年で様変わりする日本。生活と仕事に苦労し、苦悩する。
会ったことのない父親を見て子供が最初なかなかお父さんと言えないその気持ち。
彼の帰還後、息子は家族から弾き出されて強く当たられるようになる。生まれたばかりの妹は可愛がられるが自分はと思うようになり気を引いたり正義感からイジメられても立ち向かうがそれすらもそれを知らない親からは自分のせいにされる。
やがて自分自身の世界に籠り動物園を築くが大事にしていたカラスを父に逃されたことで一大決心をする。
父と母にヤキモチをやく子供という構図。
戦争の後遺症に悩む父が描かれる。彼もまた被害者なのかも知れない。
家族がこれではいけないと絆を新たに前を向いていく終盤に感動する。
第15回ゴールデングローブ賞の外国語映画賞を受賞した名作で芥川也寸志の音楽が優しくて浄化される。
子役が上手いなと思った。

やっぱり淡島千景が好き。
田中絹代も良い。
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