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ロシアン・ドールズののんchanのレビュー・感想・評価

ロシアン・ドールズ(2005年製作の映画)
3.9
セドリック・クラピッシュ監督の「青春三部作」の2本目

前作は主人公のグザヴィエ(ロマン・デュリス)が25歳で、様々な国の学生たちとわちゃわちゃした青春をバルセロナで過ごした内容。

こちらはその5年後のお話。
グザヴィエは前作のラストで官僚になるのを止め、作家を目指すことを決めたのだが...
確かにフリーライターとして小説は書きながらも、実際はつまらないTVドラマの脚本を書いたり、金持ちの自伝のゴーストライターとして仕事を掛け持ちしていた。

前作で恋人だったマルティーヌ(オドレイ・トトゥ)は子持ちになっていて、レズのイザベル(セシル・ドゥ・フランス)はバリバリのやり手になり、グザヴィエはそこでしばらく居候している。
特定の恋人はいなく目移りばかりでかなりの遊び人。
あるシーンはパリの夜の街を真っ裸でフリ◯ン疾走しているので、好きな人は必見(R-15指定)

ある日、BBC放送のTVドラマを書くことになり、ロンドン在住のウェンディ(ケリー・ライリー)と一緒に仕事をするようになる。その為、パリ↔︎ロンドンを結ぶユーロスター(新幹線)で何度も往復。
ウェンディは美しくなりグザヴィエとの関係も良い感じになっていくのだが...
ロシアの富豪から頼まれた元モデルの自伝を書くため、今度はサンクトペテルブルクへも通うようになり、その美人モデルにお熱。
ウェンディの気持ちを分かっていながらほんっとダメダメな男グザヴィエ。
ここら辺はトリュフォー監督のアントワーヌみたいだと感情移入してしまう。

30男が仕事と女性の悩みを抱えつつ、家族のことも出て来るのがほのぼのする。母親の彼氏に会ったり、祖父を安心させるため、彼女と偽ってイザベルにドレスを着せて合わせたり、一人の男が年頃の普通の悩みを持って生きている姿をリアルに描いています。

130分の長さは全く感じなく、ここは端折るよと画像を敢えて早送りして緩急さを出し、キャストたちの大人っぽくなった表情がとても豊かなので楽しく観れる。

もう一つ、バレエに精通しているクラピッシュ監督らしく、ロシアのバレエ団のステージ裏側もしっかり捉えていました。
ウェンディの弟がバレリーナと結婚式を挙げるドラマもあります。

青春時代の1話より、私はこちらが俄然好みだった。
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