佐藤哲雄

4デイズの佐藤哲雄のレビュー・感想・評価

4デイズ(2010年製作の映画)
3.8
4デイズ

キャリー=アン・モス目当てで視聴をした。

さて、そうは言っても、期待に反し、この映画は実に面白かったよ。

まず特筆すべきは、キャストのギャラ以外は極めて低コストで製作された映画である、という点であろうな。

低コストでありながら、非常にリアルな緊迫感が続き、観ている側にとっても、尋問官(サミュエル・L・ジャクソン)の狂気と正気との境い目が分からなくなり、テロリスト(マイケル・シーン)がどこまで本気で何が嘘なのかさえ分からなくなる、まさに命懸けの騙し合いは鳥肌が立ったよ。

ただし、本当に指を切断したり、奥さんの喉を切り裂いたり、と言ったような、いわゆる究極の状況における優先順位の判断基準、という永遠の命題をテーマとしていたことについて、おそらく、賛否両論あるであろうと私は予測する。

数千万人の命を救うために、テロリストの妻や子供たちの命を奪うことが出来るか否か、という判断は、平和ボケした我々には到底「否」であろうが、実際は多くの命のために迷わず子どもを殺すのだろうな、とも思うよ。

この映画は、そういう映画だったよ。

ここまで金をかけずに、人の耳目を釘付けにする映画を作ることが出来るという点において、この映画の製作陣は実に優秀なのだろうな、と私は思ったよ。

以上だな。
佐藤哲雄

佐藤哲雄