ふぃん

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのふぃんのレビュー・感想・評価

4.5
天才的な頭脳を持つも過去のトラウマから心を閉ざし非行に走る青年ウィルと、同じく心に傷を抱える心理学者ショーンとの交流を描いたヒューマンドラマ。

見た後は心が温かくなり満たされるような、再生と成長の物語。
ウィルの心の変化と成長が丁寧に描かれており一気に惹き込まれた。
一つ一つのセリフが重く心に響いてくる。

自分はいつか飽きられる。愛されないのではないか。
だから人に捨てられる前に人を捨てる。

誰しもが抱いたことのある思いではないだろうか。
相手を大切に思うが故に、本当の自分をさらけ出すのが怖くて仕方がない。

ウィルにかけたショーンの言葉が自分自身に言われているようで。
表面だけを見るのではなく、その人の背景まで考えを巡らせ、言葉をかけてくれる人は一体どれくらいいるだろうか。

ロビン・ウィリアムズの優しい瞳に涙。
もうあの笑顔を見ることが出来ないと思うと本当に惜しいね。

「20年経って、お前がここに住んでいたら俺はお前をぶっ殺してやる」
「一番のスリルは、車を降りてお前ん家の玄関に行く10秒間、ノックしてもお前は出てこない。何の挨拶もなくお前は消えている。そうなればいい」

ショーンも勿論だけど、チャッキーとの会話のシーンが非常に良かった。
暴力的な言葉の中に最大限の愛が詰まっている。
ラストのチャッキーの表情からも分かるように、心からウィルの事を思って背中を押してあげたことが伝わってきて涙が止まらなかった。

誰と出会うか、その出会いで自分の人生は大きく変わる。
自分自身と向き合うことも大事。
人生における一番大事なことを改めて教えてもらった。

エンディングの余韻に浸りまくっている。
ここからがスタート。あとは心のままに突き進むだけ。
まさにグッド・ウィル・ハンティング。旅立ち。
ふぃん

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