ガブXスカイウォーカー

ゴルゴ13のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ゴルゴ13(1983年製作の映画)
5.0
あの『ゴルゴ13』(さいとう・たかお/さいとう・プロ原作)を『エースをねらえ!』『あしたのジョー2』などの出崎統(監督)、杉野昭夫(キャラクターデザイン・作画監督)、小林七郎(美術監督)、高橋宏固(撮影監督)、鶴渕允寿(編集)、鈴木清司(選曲)ら最強メンバーで製作した劇場アニメーション作品。
最愛の一人息子をゴルゴ13に殺された石油王の復讐劇(原作『帝王の罠』)をベースに、ゴルゴの数々の暗殺劇を描いていく。あらゆる難関を潜り抜け、必ず仕事を完遂するゴルゴはひたすらクールだ。
またゴルゴをつけ狙う石油王レオナルド・ドーソンは、その権力と財力で、CIA、FBI、ペンタゴン情報局をも操る強敵である。さらに息子の嫁を殺し屋に生贄として差し出し、孫娘をも訓練して刺客にする狂気ぶりだ。なにが彼をそこまで駆り立てるのか? なぜゴルゴの依頼者には手を出さないのか? 声優、納谷悟朗の凄烈な演技により、もう一人の主役とも言うべき存在となっている。
本作は残念なことに上映後しばらくの間、ほんの数分のCGパートの出来の拙さばかりに注目されていた不遇な作品である。だが、絶頂期の出崎統らしいアクション演出による迫力あるアニメーション映像は今観ても決して色褪せることはない。昨今のさわやかでファンタジックなアニメもいいが、血で血を洗うアクション活劇『ゴルゴ13』をぜひ堪能してほしい。
超お薦め!