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修羅雪姫のtakのレビュー・感想・評価

修羅雪姫(2001年製作の映画)
2.8
小池一夫の原作を未来社会へと置き換え、香港からアクション監督にドニー・イェンを招いて製作された意欲作。そして我らが釈由美子の劇場映画デビュー作。有無を言わさぬスピーディーな展開と、今までの日本映画では見られなかったスピーディーなアクションには圧倒される。

だが、人物面が描き切れていない印象が残るし、未来社会の描写が小出し過ぎ。独特の世界観と個々のディティールは興味深いのだれど今ひとつ引き込まれなかった。もうちょっと長尺でもいいから、ドラマ部分が見たかった。僕は小池一夫ワールドを深くは知らないけれど、果たしてオリジナルの良さは本当に生かされているのか?。これを観て、僕はますます梶芽衣子版が観たくなった。

だがそれをしっかりカバーするのが釈由美子の熱演だ。感情を抑えて笑いもしない殺しのプロフェッショナルであるヒロインは、人間社会を知らず狼に育てられた子供のようだ。そんな狼少女が愛を知り水辺で「お母さん、嬉しい」と呟くところは心に残る。そして抑えていた感情が噴出するラストの号泣。それはもう絶叫に近い。そしてハードアクションにも挑んだ心意気には感心。ここだけはさすがにサトエリのキューティーハニーもかすんでしまうな(比べるな)。嶋田久作は相変わらず怪演。
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