本物の西部劇らしい西部劇です。
イーストウッド監督はこの映画で西部劇を殺したと言われています。
西部劇は元々、アンパンマンの様な勧善懲悪の物語
アンパンマン=善
バイキンマン=悪
のような分かりやすいエンターテイメントだったと聞いています。
善がいくら人を撃ち殺そうとも、非を問われないし、主人公たちも人を殺してしまった後悔などは描かれません。
この許されざる者では、そうではありません。
マニー、ネッド、キッドも人を殺す事によってそれぞれの悩みが生じています。
そして、西部劇ではタブーであった丸腰の相手を撃ちます。
丸腰で飲み屋の店長をマニーは撃っています。
この事から、
今までの西部劇とは違う、
本物に近い西部劇を目指したことが、
今までの西部劇を殺したと言われたのかなと思います。
マニーが登場して、
悪名高い人物で、女、子どもにも容赦ない悪党。の様な過去の話がされますが、
豚とたわむれたり、
空き缶を撃てなかったり、
馬に乗れなかったり、
雨で風邪ひいちゃったり、
とそんな風には見えないおじさんです。
しかし、後半ある事を知り禁酒していたお酒を飲むシーンから変わっていきます。
最後は確かに冷酷無比なマニーが観れるのですが、マニー自身が言ってたように、
奥さんの存在のおかげで、変わったのだと思います。
昔のように手当たり次第の殺しはしていないように感じました。
渋くてカッコいい本物の西部劇です( ´ ▽ ` )ノ
この作品がなければグラントリノも生まれなかったかとさえ思います。