笹川パンダ

ヨーロッパ一九五一年の笹川パンダのレビュー・感想・評価

ヨーロッパ一九五一年(1952年製作の映画)
4.1
ほぼ成瀬みたいな作風だと気づいた。
イングリッド・バーグマンはどうなのだろうと思った。個人的にはヒッチコックの勝ちだ。役柄の逆をいく自己中心性、自分がどれだけ素敵に見られたいかという傲慢さがメソッド演技から滲み出ている。一人だけ演技のタイプが違うので目立つのは当たり前だ。大仰な自分に酔いしれた演技をしていても、周りの控えめな演技、献身に支えられればバランスが取れる。題材の真逆を行く。
非常に語りにくい映画だが不思議とずっと見てられる作品だ。
リアリズムの観点から語るだけではやや不足する気がするが、かなり古臭い脚本の端々に普遍的な問題に対する意識が感じられる。セリフはともかく人間社会ってこうだよなと思わされる。
笹川パンダ

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