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ヨーロッパ一九五一年のkazu1961のレビュー・感想・評価

ヨーロッパ一九五一年(1952年製作の映画)
3.8
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-179 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-529

🖋イングリッド・バーグマン迫真の演技で魅せるロベルト・ロッセリーニ監督作品。主人公アイリーン(イングリッド・バーグマン)は聖人か狂人か???。。。

🖋イタリアのネオ・リアリズモの巨匠として戦争三部作で戦争の非人間性を訴えてきたロッセリーニ監督、本作では戦後のイタリア社会の歪み、貧富の差や物質的ブルジョアジーを静かに痛烈に批判した作品です。

🖋愛しすぎた息子が自殺し自責の念で苦しむアイリーン。その後、社会の現実を知った彼女は、困った人々を愛して救済する行動に出ます。彼女曰く“自分自身が憎いから、困った人に愛を与えるのだと。。。”、こういう物語。

🖋そこには大きく二つのメッセージが。一つ目は、”物質的な成功vs魂の救済”という2つの価値観を対比させて、貧富の差や物質的ブルジョアジーを否定するメッセージ。

🖋そして興味深い二つ目は、そこに撮影中に不倫関係になり、ハリウッドがらイタリアに逃亡して結ばれたロッセリーニ&イングリッド・バーグマン自らのことを映画に投影したと言われているところ。自分自信を投影したアイリーンを演じるバーグマンやロッセリーニを連想させる社会派ジャーナリストの登場にその時の2人をオーバーラップさせているんですね。

🖋全体的にはロッセリーニ監督の演出とバーグマンの演技を堪能できる作品ですが、やや重たく暗いので好き嫌いは分かれる作品でしょうね。

😨Story:(参考: TSUTAYA)
商社マン夫人のアイリーンが社交生活に夢中になっている間、愛息が自殺。ショックを受けた夫人は、社会の矛盾に目を向け……。

🔸Database🔸
・邦題 :『ヨーロッパ一九五一年』
・原題 :『Europe '51』
・製作国 : イタリア
・初公開 : 1952
・日本公開 : 1953/09/01
・上映時間 : 118分
・受賞 : ※※※
・監督 : ロベルト・ロッセリーニ
・脚本 : ロベルト・ロッセリーニ
・原作 : ※※※
・撮影 : アルド・トンティ
・音楽 : レンツォ・ロッセリーニ
・出演 : イングリッド・バーグマン、アレクサンダー・ノックス、エットレ・ジャンニーニ、ジュリエッタ・マシーナ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「ドイツ零年」「七つの大罪」(第四話)のロベルト・ロッセリーニが製作監督に当った一九五二年作品。現代のヨーロッパに生きる一女性の苦悶を描くロッセリーニ自身の書卸しストーリーを、ロッセリーニ、サンドロ・デ・フェオ、マリオ・パンヌンツィオ、イーヴォ・ペリッリ、ブルネロ・ロンディの五人が協同脚色した。撮影は「ポー河の水車小屋」のアルド・トンティ、音楽は「ドイツ零年」のレンツォ・ロッセリーニの担当。渡伊したイングリッド・バーグマンの「ストロンボリ」につぐ主演作品で、彼女をめぐって、米国俳優アレクサンダー・ノックス、エットーレ・ジャンニーニ、ジュリエッタ・マシーナ、子役サンドロ・フランキーナ、テレーザ・ペッラーティらが出演。
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