べるーし

現代やくざ 人斬り与太のべるーしのレビュー・感想・評価

現代やくざ 人斬り与太(1972年製作の映画)
3.9
クッソ若い菅原文太!!

愚連隊の番長となったチンピラの沖田は川崎を牛耳ろうとする滝川組組員を斬った事により懲役刑を喰らう。その5年後に出所すると、滝川組は矢頭組に支配されており...というストーリー。


仁義なき戦いシリーズ完走でロス気味...なのでその前身となった菅原文太と深作欣二のタッグ作品を!仁義なきシリーズまでとは行かなくとも面白い今作。この時点で深作流破滅の美学やギラギラした暴力描写が完成されておりましたね。

仁義なきシリーズ以前のヤクザ映画と言うと任侠系、つまりチョンマゲ無しのヤクザ者が仁義を持って悪を正す内容が主流だったそうですが、仁義なき戦いの一年前にこれがあって...と。今作を手掛けた深作欣二が当時としては如何に異端であったかが分かります。だから何作もの実録系を任されたのかw

内容はと言うとこれまた新鮮に見えました。ヤクザと堅気でない愚連隊の一匹狼の戦いというのが今だとあまり観ないイメージ。組織に支配されるのを嫌う人間が組織に抗って破滅の道を辿る...というのは完全にアメリカンニューシネマww 意識はしてるでしょうね。

実録ではないのに劇中の人間に現実味を感じたのが面白かった要因の一つでしょうね。支配や掟を嫌う辺りがヤクザらしくなく、それでいて堅気ではなく、といった何とも言えなさが現実っぽさあると思います。

あとは菅原文太が若い、若過ぎる!!w 若々し過ぎて後に広能昌三を演じた様には見えませんでした。役作りであんなに変わったのだろうか...?やっぱり昭和の俳優ってクッソ凄いなぁ、と実感させられるばかりです。
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