こぅ

賭博師ボブのこぅのレビュー・感想・評価

賭博師ボブ(1955年製作の映画)
3.9
「モンマルトルは天国と…
地獄をあわせた所だ」

【サムライ】、【仁義】のJ=P・メルヴィル監督による、
【フレンチ・ノワール】。


朝の光を避けて眠りに着く、“規則正しい”生活を送るボブ(ロジェ・デュシェーヌ)は、ある時、カジノの金庫警備が夜間に手薄になる情報を得て、彼を慕う青年ポーロ(ダニエル・コーシー)と恋人、アンヌ(イザベル・コーレイ)、昔の仲間を誘い、その金を強奪する計画を立てる。 
が、決行の当夜…。


冒頭、
アンリ・ドカエのカメラによる、まだ薄暗い朝方から夜明けのモンマルトルと街を行き交う人々を 監督自身のナレーションを被せて捉えている。
そこから主人公、賭博師ボブ へとシフト。
ボブの行動を追って人脈と人望が分かる。
まるで、彼の ルーティン を見せられるているかのようだ。

正直そんなん どーでも良い と言ったら怒られるか〜。

朝方まで賭けをしていて、
眠ろうと家路に向かうが、着く前に有り金でもう ひと勝負 してしまう性分だ。

アンリのカメラは、
狭い部屋であっても俯瞰で捉えたりする。
半ば過ぎ、
何気ない会話シークエンスでの高低差 視覚効果(錯覚)の手本的ショットがある。
脳の思い込みによるものだ。

街ふらつきを見かけ、バーで知り合ったアンヌと、居合わせた弟分的なポーロと意気投合。

ボブはジェントルマンで、
自分に好意のあるアンヌでもポーロに相応しいと、手を出したりしない。

望まれても泊まらせず、ホテル代をスマートにバッグに忍ばせるオトナ。

アンヌを守り、可愛がっていたのだが、仕事(犯罪)に支障をきたすような兆しがあれば手厳しい。

ある日、
カジノから8億フランが手に入る情報を聞き、、
20年間悪させず大人しくしてきたボブだったが、、
お約束の メンバー集めと準備 に取り掛かる。

空き地に原寸大の間取りを線引きしてリハーサルするのがユニーク。

だが、
警察署長にマークされるような思わぬ事態が起きる。

それでもしらを切って、、

決行当夜に向けて、
予定通りボブが先にカジノに入ったのだが、、
時間カッキリに向かうメンバー7人。

イギリス(イーリング)なら、
或いは、リメイクなら ベタコメディ になりそうな題材をジャン監督は、ユーモアの欠片も見せず、眉間にシワ を寄せた堅物クソ真顔が目に浮かぶ。


ラスト、
皮肉な◯ネ、
この手の犯罪劇で 成功する筈がない とは暗黙の了解であろう。
OP&ED曲が渋い。


*注記
ヒロイン、アンヌ役のイザベル(16)は、美人というより可愛い系(本編では内田有紀似⁈)。
とても16歳には見えない。
無敵ガーター姿も披露されたら加点せずにはいられない‼︎

https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcQ8utpa13qOdqoyZODLEqst2mEyB2PMMA6AQA&usqp=CAU


ビンタレベル★★★★★
こぅ

こぅ