【与え続ける事の理不尽さ】
チェコの鬼才フランツ・カフカ先生が1918年に発表した同名短編小説を山村浩二監督がアニメ化した作品でございます。
『その脇に咲いた花のために、
お前は死んでいくのだ。』
少年患者の脇腹に出来た深い傷を例えた文章。
何て詩的で中二心をくすぐる表現なのでしょうか。
少年の傷口の中で蠢くウジ虫が不愉快で素晴らしい。
雪深い土地で働く雇われ医者。
彼の抱える日々の不満。
町の人々を助けても助けても自分にひとつも見返りは無い。
善行が奪われて行く毎日。
非常に鬱屈としている。
それが山村監督のデッサンの狂った人物描写や暗くてシンプルな色使いと非常にマッチしておりました。
『やっぱりギブアンドテイクが大事だよね!』
これがこちらの作品の教訓なのかな?と自分なりに解釈いたしました。
尽くし過ぎると疲れちゃいますよね。
カフカ先生作品の映画化で今1番気になっているのがフォーキン監督のロシア映画「変身(2002)」です。
近々鑑賞できたらなって思っております♬