継

セリーヌとジュリーは舟でゆくの継のレビュー・感想・評価

3.9
公園で魔術の本を読む図書館司書のジュリー。その前をマジシャンの セリーヌがスカーフやらサングラスやらを落としながら走り過ぎる。ジュリーは落し物を渡すためにセリーヌの後を追うが。。

'74年作, 自由気ままな女子2人による192分の軽やかファンタジー。
パリを舞台に展開するリヴェット流『不思議の国のアリス』,です。
ウサギや帽子屋や海亀は出て来ない(猫は出る(ΦωΦ))けれど, コレに着想を得たという夢のような迷宮のような世界へ足を踏み入れた二人は, ある郊外の屋敷🏚にまつわる忌まわしい秘密に迫っていきます。


これまで一応自分なりの理解とか解釈がまとまった上でレビューを書いてきたつもりなんですけど, 今作はおいてけぼりなまま書いてます😹
だいたい途中で折り合いがついたり, 種明かしを知れば合点がいって追いつけるモンなんだけど,長尺で情報量が多く気まぐれに話が過去や未来へ飛んだりする今作は, “アキレスと亀” というか掴み所が無くて😹


異空間のような不思議な屋敷🏚、そこで無限にループ&シャッフルしながら繰り広げられる謎めいた家庭劇、舐めると幻視効果をもたらす魔法のキャンディ… 🍭
やがて「少女を屋敷から救い出す」という動機を見出した二人は, ロールプレイングゲームのように試行錯誤を重ねて屋敷のルールをかいくぐり,次第にゴールへ近づいていくのですが。。。


理屈でどうこう言うんじゃなく, “こーゆーもの” として受け入れる気持ちの優しさとか夢見る少女👒のような清らかな心でもってして観るべき映画なのは分かる, 分かるんだけど,
不意に差し込まれるフラッシュバックならぬフラッシュフォワードと言うべき時制が飛躍したカットとか, 屋敷を撮った古い白黒写真の存在とか, タイトルのあの終盤の解釈とか, そもそものこの世界の構成とか辻褄とか…, もっともっと分かりたいわけです。

映画を観る尺度, そのスケールを知らぬ間に広げてくれる映画ってのがあるとすれば, 分かりたくても分からない今作みたいのが自分にとっては当てはまる, 大事な物差し📏な気はする。
ただ, “あと何回観てもこりゃ分かんないかも” って思えるのもまた事実で😹

再上映や再発はされないし, 中古💿は高いし, 蔦屋💿は借りる度にキズ増えてその内読み込めなくなりそうだし, そもそも夢見る少女じゃねーし(ノ ̄皿 ̄)ノ ⌒== ┫👒。  
上っ面の雰囲気だけ観て “なんかいーよね” で済めば良いんだけど, もっと分かりたい。饒舌過ぎるけど何か楽しい…
また観る機会はあるだろうか?色んな思いが愛憎が入り混じる, 何ともアンビバレンスな作品です😹。
継