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アントワン・フィッシャー きみの帰る場所のkojikojiのレビュー・感想・評価

3.9
デンゼルマラソン第3弾は、多分監督制作兼任初の映画「アントンフィッシャー」
2002年(49歳)

初鑑賞。
またファン!になった。また泣いた。
良い映画作ってくれる。

海軍兵士のアントワン・フィッシャー(デレク・ルーク)は朝からシャワーを浴びるために浴室に向かう途中、声をかけてきた白人水兵に対して突如激昂し、殴りかかった。
彼の暴力はこれが初めてではない。
アントワンは、白人水兵の人種差別的な発言が原因だと訴えたが聞き入れられず、懲罰とと精神科医の診察を受けるように言い渡される。
彼が向かった先は精神科医ジェローム・ダヴェンポート(デンゼル・ワシントン)。
彼はアントワンに、自分自身や家族のことについて話すよう促すが、アントワンは頑なに過去を語らない。
彼には人に語れない辛い過去があったのだ。
一方精神科医ジェロームもまた心に傷を抱えていた。

少年の多感な時代の辛い経験は、自分でも抑えられないような深い心の傷を作ってしまうのだろう。
語りたいけど語れない。それが彼の激昂しやすい性格となっている。
彼は愛情に飢えているが、愛情表現ができない。彼を愛してくれる恋人もできたし、ジェロームも親身に彼の話を聞いてくれる。
しかし、立ち直りそうになるとまた事件を起こしてしまう。彼は自分自身と戦っているのだ。ジェロームは彼に家族探しをするように促す。そして彼は暗い過去を辿って行くことに。

突然なのでハッとなる。「そうか!」とわかる。
彼が本当に必要なのは、
「家族」、「ホーム」
なのだということが改めてわかる。
観ている自分の心までもがそれを求めていたような、癒されたような気持ちになる。
彼が求め続けた「家族」がそこにある。
泣きます。
素晴らしいラスト。

No.1476 2023-508
監督: デンゼル・ワシントン
映画脚本: アントワンフィッシャー
原作: Finding Fish: A Memoir
実話。脚本は原作者だ。
デンゼル-3
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