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誘惑されて棄てられてのkojikojiのレビュー・感想・評価

誘惑されて棄てられて(1963年製作の映画)
3.7
シチリアが舞台。
映画の始まりはカンツォーネ風の歌。「誇り高きアスカローネ一族の物語」と歌いあげる。

 姉マチルダの婚約者ペッピーノがある日、16歳の美貌の妹アニェーゼに手を出して妊娠させてしまう。これを知った父ヴィンチェンツォは怒りを爆発させるが、一族の名誉を守るため即座にペッピーノと結婚させるために奔走する。
 名誉を守るための父の奔走の悲喜交々を
「イタリア式コメディ」📝で描く。
 
このペッピーノのクソ男ぶりは、アニェーゼ役ステファニア・サンドレッリが可愛いだけに呆れ返る。彼のクソ男ぶりがこの話を面白くしているのは事実なのだが。

#1930
1963年 イタリア🇮🇹映画
監督・脚本はピエトロ・ジェルミ
音楽はカルロ・ルスティケッリ
 ピエトロ・ジェルミ監督には欠かせない作曲家「鉄道員」「刑事」ほか多数。

 この映画で特に目を引くのは父親役のサーロ・ウルツィだ。彼もまたピエトロ・ジェルミ監督作品には欠かせない存在。これまで脇役で重要な役どころを見せていたが、本作ではその魅力を爆発させている。味があって面白くて、上手い。この作品は彼の演技を見るだけでも充分価値がある。
余談だが、彼はゴッドファーザーにも出演している。

「イタリア式離婚狂想曲」も、これは観たくなる。

📝イタリア式コメディ
1940年代から第二次世界大戦後にかけて、「ネオレアリズモ」のムーヴメントが起こる。
その後を受けた若手監督達は艶笑ものの他愛のないコメディ、ショートコント集、オムニバス映画が量産する。その流れのなかで1950年代後半に生まれたのがこの「イタリア式コメディ」。
ピエトロ・ジェルミ監督の『イタリア式離婚狂想曲』や本作もその代表作と言われている。
 

2023.08.06視聴373
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