ここのところデニーロづくし。
全然知らなかった映画だけど、大好きなフィリップ・シーモア・ホフマンが出ているのなら、無条件でレンタル決定!
ニューヨークのとあるアパート。3階には元警官ウォルト(ロバート・デ・ニーロ)が。4階にはドラァグクイーンのラスティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)が住んでいた。ある日、5階でマフィアの金を巡って殺人事件が起きる。
事件が引き金となって脳卒中で倒れ、右半身麻痺が残ってしまったウォルト。そのショックから自暴自棄の日々を送っていたが、予てから毛嫌いしていたラスティにリハビリの一環として歌のレッスンを申し入れる。
いやぁ、もう両雄の演技が光る!!
ドラァグクイーンとしては華やかに着飾っていても、日陰者の同性愛者としては惨めな思いに耐えるラスティ。フィリップ・シーモア・ホフマンが水を得た魚の様に生き生きと演じ、捻りのある役を演らせたら、やはり上手い!!
そしてデニーロよ。
右半身麻痺という難役。右半分の口を閉じ、左半分の唇の隙間から常に発声しなければならないという、フィジカルなハードルを器用にこなす。こちらも上手い!!
マツコとビートたけしみたい。
決して仲良しとは言えない。
啀み合ってばかりの2人。
それでも社会的弱者として、傷を負った者同士、次第に心を通わせていく描写が素晴らしい。
消えたマフィアの金の行方はわからぬまま。
その小さなサスペンス要素が、ラストに一盛り上がりを見せてくれる。
監督はジョエル・シュマッカー。
なるほど、監督ご自身も同性愛者だからか。
作品のテーマにも納得。
めっちゃ面白いとは言わない。
でも、やっぱりこの2人の演技は惹きつけられる。
エンドロールで、ラスティとウォルトの、恐らく演者によるアドリブが延々と繰り返される、ピアノを奏でながらの歌のレッスンが最高に面白い。凄く楽しそうで、こちらもニヤニヤ笑っちゃう。