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拳銃魔のkojikojiのレビュー・感想・評価

拳銃魔(1949年製作の映画)
3.6
実話をベースにした短編小説が原作。
1953年の日本公開時はかなりヒットしたらしい。
フィルムノアールの傑作と聞いて観る気になった。映画は、ストーリーがこ気味よく展開して面白い。しかし、強盗と逃避行の末、次第に二人は追い詰められていく。何故こんな事になるのだろうと思うと哀れだ。そして思った通りの苦い結末に行きついてしまう。結末が結末だけに私は観終わってもスッキリしなかった。
「俺たちに明日はない」の1949年版という感じだ。

#1404 2023年 438本目
1949年 アメリカ🇺🇸映画

監督:ジョセフ・H・ルイス
「拳銃魔」はこの監督なら代表作。
脚本:マッキンレー・カンター、
ミラード・カウフマン
原作:マッキンレー・カンター「Gun Crazy」
音楽:ヴィクター・ヤング
『八十日間世界一周』(1956年)でアカデミー作曲賞を受賞した。他に『シェーン』『大砂塵(ジョニー・ギター)』がある。

 人殺しが嫌であるにも関わらず銃器が大好きな男バート(ジョン・ドール)が、ショーで射撃の腕前を披露したことをきっかけに、芸人一座の美人スターローリー(ペギー・カミングス)と恋に落ちる。そんな彼が彼女にせがまれて強盗を続けていくのだが……。

 最後まで人が殺せない男と追い詰められたらすぐに殺そうとする女の対比が繰り返され、いよいよこの二人の運命に関わってくる。

 ストーリーは陳腐だが、典型的な「ファム・ファタール」のローリー役ペギー・カミングスが目を引く。彼女の演技が弾けている。この時代のフェイ・ダナウェイという感じだ。なかなか堂に入っている。
こんな👩に引っかかると、ここまで堕ちてしまう事になるのか。可愛いだけに恐ろしい。

 バート役のジョン・ドールもなかなか見せる。キレのある演技が気持ちがいい。しかしこんな青年が無職というのに違和感がある。髪があまりに整っているせいか。大変な女に関わって、拳銃好きとは言え、動物も殺せない男が、次第に自分達のやってきたことへの罪深さや人を殺しかねない自分達の境遇に苦悩する男の内面の苦悩をしっかり演じ切っている。
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