べるーし

U・ボートのべるーしのレビュー・感想・評価

U・ボート(1981年製作の映画)
4.4
ディレクターズカット版を鑑賞。が、観終わるのに掛かった日数は四日....

WW2の最中、ナチス占領下のフランスからU96が出航。連合国護送船団への攻撃任務を背負って...というストーリー。


ただの戦争映画で終わらない、潜水艦での生活の過酷さを描く作品。閉鎖空間だからこそ演出出来た緊張感がもう素晴らしいですね。ソナーや軋む音だけで緊張感を増せるって凄い。映画は映像と音で表すものだと言われてますが、今作はまさにそれらを非常に上手く活用しておりました。

潜水艦の中は食料も寝床も限られて来るので常人なら耐え難い空間。ところが今作での軍人らも追い込まれてどんどん狂って行く....

実際のUボート内でも今作の様に軍人を狂わせるなんて事があったのかねぇ。それは定かではありません。が、にしてもその描写までも秀逸でたまげたなぁ...。

これらの描写に役立ったのはやはり俳優陣の演技ですかね。鬼気迫る演技こそが戦争映画に必要不可欠なものですな。ユルゲン・プロホノフが演じる艦長とか、目がまさにそれ。我々をWW2の時代に連れて行ってくれたかの様な、そんな感覚に陥ってしまいますな。

あ、あと今作は終盤が衝撃的。上げて落とす展開。これが戦争。

勝者敗者、全ての軍人に敬意と哀悼を...。
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